大阪は「副首都」で 石原都知事と橋下府知事が一致 2011年7月1日

日本経済新聞 2011/07/01

 東京都の石原慎太郎知事と大阪府の橋下徹知事は1日、東京・西新宿の都庁で会談し、東日本大震災を受けた首都機能分散のあり方について、大阪を「副首都」と位置付けて機能強化を進めるべきだとの認識で一致した。石原氏はこれまで、橋下氏が掲げる「大阪都」構想に「都は1つでいい」と消極的な考えを示していたが、歩み寄った。

 橋下氏は会談後、記者団に「大阪を副首都にするという共通認識ができたことは非常に大きい」と強調。「大阪府と大阪市を再編し、副首都を担える行政機構をつくりたい」と話し、都市機能の整備に力を入れる考えを示した。

 会談には大阪国際(伊丹)空港の廃止を前提に、跡地に「危機管理都市」をつくる構想を推進する民主党副代表の石井一参院議員も同席。ただ橋下氏は「副首都と伊丹の危機管理都市構想はイコールではなく、大阪全体の都市機能をしっかり整備したい」と述べた。

 首都機能のバックアップの一環として府が検討している国会の大阪誘致については、話題に上らなかったという。

 石原氏は首都機能移転に反対しているが、震災後は「首都の機能がいい形で分散されることは非常に好ましい」と話していた。