野田政権、都の尖閣上陸を許可せず 石原知事に伝える

朝日新聞デジタル2012年8月27日17時01分

野田政権は27日、東京都が政府に許可を求めていた尖閣諸島(沖縄県石垣市)への上陸について許可しないことを正式に決め、都側に伝えた。回答は長浜博行官房副長官名で、石原慎太郎都知事に宛てた。

 藤村修官房長官は理由について、同日夕の記者会見で「尖閣諸島の平穏かつ安定的な維持・管理のためとの政府の賃借の目的を踏まえ、上陸を認めないとの結論になった」と説明した。

 さらに、都の上陸申請に尖閣諸島の地権者の同意書が添付されていなかったことから、藤村氏は「東京都による島の取得の見通しが必ずしも立っていると認識していない。政府として(都の)上陸の必要性を判断する状況にない」とも指摘。地権者の意向も、上陸を認めない判断材料になったとの認識を示した。

 これに対し、東京都の石原知事は27日、「立ち入りを認めないとの判断は到底理解できない。立ち入りを認めるよう、引き続き強く求めたい」とのコメントを出した。都は同日、尖閣諸島購入に向けた現地調査を9月2日に実施すると発表。政権が尖閣諸島への上陸を認めなかったため、1日夜に石垣港を出港し、2日に海上からの目視を中心に調査を行う方針だ.