msn産経ニュース 2012.10.26 23:54 (1/2ページ)
新党結成を表明した石原慎太郎東京都知事は26日、次期衆院選に向け、日本維新の会やみんなの党も含めた「第三極連合」の必要性を強調した。維新とみんなも同日、政策協議を本格化させるなど連携に向けた動きが活発化した。ただ、石原氏と維新では憲法のほか原発や環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加などの主要政策で対立点がある。「官僚支配打倒」(石原氏)という大目標だけで連携するのは容易ではない。
「薩長土肥も関心、考え方は違ったけど、幕府を倒して新しい国家をつくるということで大連合があった。一緒にやったらいいんだ、選挙は。みんなで大連合をつくって…」
石原氏は26日、都庁での記者会見でこう述べ、現在の政治状況を幕末と重ね合わせて、第三極による大連合の「大義」を訴えた。
さらに「政策が違うとかじゃないんだ。大眼目は官僚支配を壊していくことだ。原発をどうするとか、消費税をどうするとかはある意味、ささいな問題なんでね」とも述べ、大同団結を呼びかけた。みんなの党の渡辺喜美代表との会談にも意欲をみせた。
石原氏が「第三極連合」を訴えたのには、足元で維新の会代表の橋下徹大阪市長に対する懸念が噴出していることも一因にある。
25日夕、石原氏はたちあがれ日本の党本部で平沼赳夫代表らと会談したが、たちあがれ側からは維新との連携について「政策が違う」「譲歩しすぎたら政党の意義がなくなる」との声が続出した。石原氏が「もうちょっと大きな視野で考えられないか」と平沼氏らを説得する場面もあった。橋下氏も26日、「石原氏と一致していると言えないところは、エネルギー政策と憲法だ」としながらも、「憲法改正をしなきゃいけない思いは同じだ。憲法問題が連携の支障にはならない」と石原氏への配慮を示した。もっとも、維新幹部は「(橋下氏が)石原氏を心の中では尊敬しても政策の中身が違えば違うと言うしかない」と言い切った。
渡辺氏も26日の記者会見で、石原氏の会談呼びかけに対し「消費増税を容認するのであれば話にならない。基本政策も政治理念も違うと政界再編の対象にはならない」と否定的な姿勢を示した。
一方、維新とみんなの協議は和やかな雰囲気で始まった。維新幹事長の松井一郎大阪府知事が「誰とどう組むではなく、何をやるかを政治の中心に据えている」と説明すると、みんなの江田憲司幹事長も「政策を一致させない限り連携もない」と応じ、11月末までに共通政策を取りまとめることで合意した。
ただ維新も増税そのものを反対するみんなに対しては「年間予算の半分が赤字国債の中で、何でもかんでも反対というのはどうか」(松井氏)と不満を示している。これに対しアジェンダ(政策課題)の最初に「増税の前にやるべきことがある」と掲げるみんなとしても消費税問題は譲れない一線であり、両者の協議も難航する可能性がある。(松本学)