『石原新党・平沼赳夫議員 みんなの党&維新の会幹部緊急出演』

BSフジ プライムニュース 2011年11月7日

【テーマ】
『石原新党・平沼赳夫議員 みんなの党&維新の会幹部緊急出演』
【ゲスト】
平沼赳夫 たちあがれ日本代表 衆議院議員(前半)
浅尾慶一郎 みんなの党政策調査会長 衆議院議員(後半)
松浪健太 日本維新の会国会議員団副幹事長 衆議院議員(後半)
【解説キャスター】安倍宏行 フジテレビ解説委員

+たちあがれ日本 平沼代表に聞く 石原新党結党

 八木キャスター「石原新党はまもなく結党ということですよね?」

 平沼代表「そうですね。石原さんの都合次第ですけれども、なるべく早い時期に、大阪維新の会とは別問題で、我々は結党しようと思っていますね」

 八木キャスター「党名は?」

 平沼代表「いろいろ出ていますけれど、やはり芥川賞の作家に任せないといけません。だって、我々が考えても芥川賞には敵いませんよ」

+「石原新党」「維新」「みんな」 どうなる?第三極連携の行方

 八木キャスター「先日、石原さんと平沼さん、日本維新の会の橋下さんとが連携を視野に入れた話し合いを行いました。3人で会うことはよくあるのですか?」

 平沼代表「そうですね。私が橋下さんに会ったのは3度目ですね」

 八木キャスター「印象は変わらない?」

 平沼代表「やはり弁護士出身ですから、よく話されますね。一人でしゃべっているような感じがあったな。半分はしゃべっていたかな。私は、沈黙は金で黙っていましたけれどね。私はたちあがれ日本の代表ですから、2年半前の一昨年の4月に結党した。何にもしていないわけではなくて、皆で侃々諤々議論しながら21項目からなる基本政策を作り、今年4月25日には自主憲法の大綱を世に問うた。これはまとめた段階でマスコミの人も呼んで、説明したけれど、1行も記事にしてくれないんだな。しかし、たちあがれ日本としても若い人を育成しようということで、かけはし塾という塾を作って、維新の会のように何千人集めるということではなくて、責任を持てるのはだいたい20人ちょっとですから、全国から公募をして、23〜24人に絞って、半年間で3回教育しました。国政を目指す、良い人材もいます。私は、石原さん、橋下さんと会った時に、たちあがれ日本はこの2年半、活動を一所懸命してきましたよ。良い人材も育ってきましたよ。何にもしていないわけではなくて、我々も一所懸命やってきた。このことだけは言いましたね」

 反町キャスター「総選挙に向けて公認を何人くらい用意していますか?」

 平沼代表「現在20人くらいですね」

 反町キャスター「維新の会と同じ選挙を戦っていくのであれば、その20人を我々としては引っ張っていくよという意味ですか?」

 平沼代表「そういう意味です。今後いろいろ話し合っていく中の、一項目にしなければと思いますね」

 八木キャスター「橋下さんがカラーが合わないと言ったと聞いていますが、カラーが合わない感じというのは、平沼さんはどう受け止めていますか?」

 平沼代表「私はそういう場で文句を言おうと思ったけれども、皆さん方は、石原、橋下の連合を望んでいますから、我慢をして静かに聞いていましたよ」

 八木キャスター「このカラーが合わないことは、何らかの歩み寄りができると思いますか?」

 平沼代表「これから、私はその場に出ませんけれども、我が党では幹事長をやっている園田さんとか、参議院の会長をやっている藤井孝男さんがいろいろ詰めていこう、会談をやっていこうと。会談も私達が出していないのに向こうから9日にやろうと言っているんですよね。私達は、謀は密なるをもってということだから、黙っていたんですよね」

 反町キャスター「カルチャーが違うと思う時はありませんか?」

 平沼代表「反町さんが見れば、当然そう思うでしょう。石原さんが良くいう幕末の大政奉還。坂本竜馬の船中八策にも大政奉還というものがあった。現実には薩摩と長州というのは、蛤御門の変で戦争までしているんですよ。それを政治の流れを変えようと大政奉還をさせようと、幕府よ、さらばという形で大連合したわけです。ですから、そういう中で石原さんも盛んにそういうことを言っていましたけれども、そういう動きも我々は考えていかなければいけない」

+“石原新党”結党

 八木キャスター「政策が違いますが、これだけは譲れないというのは。どんな話し合いになっていくのでしょう?」

 平沼代表「やはり原発というのは、しっかり担保してやっていかなければいけないし、世界的に見ても、日本が確立した技術というのは非常に高いんですよ。たとえば、核燃料サイクルも進んできた。それからイーターという熱融合は放射線が出ないんですよ。これは瞬間的だけれど、1億℃の熱がいるんですよ。クリアできないだろうと言われていたんだが、日本人は3億℃を作ったんだ。現在フランスでイーターの実験が始まっているんですよ、日本も参加しているけれど。こういったものを、原発を2030年に止めると言ったって、蓄積してきた技術を日本のために活かす必要があると思うんだ」

 八木キャスター「熱い想いですが、擦り合わせることができるのですか?」

 平沼代表「これまで話し合っていないですから。そういうことを我々は話し合っていきたいなと思いますよ」

 反町キャスター「この間の2時間、話し合った中で、個別の政策でなければ、どういうことを話し合ったのですか?」

 平沼代表「石原さんが小異を捨てて大同につけという話をいろいろな例を用いてやっていましたね。それに対して橋下さんも、石原さんにあんたが総大将できてくれたらいいよ。たちあがれ日本とはちょっと肌合いが違うなと言っていたな」

 反町キャスター「政策的なものが齟齬をきたしているのですか?>

 平沼代表「我々は平均年齢が70歳を超えていますからね。だから、彼らが欲している流れとたちあがれ日本が持っている流れに違和感があるんじゃないかなという感じだったんじゃないんでしょうかね」

 反町キャスター「流れとはどういうことですか?」

 平沼代表「たとえば、たちあがれ日本は、別の言葉で言えば、真正保守なんて言われていますよね。そういうものと流れが違うんでしょうね」

 反町キャスター「平沼さんが目指している保守を、橋下さんに見出すことができますか?」

 平沼代表「3回しか会っていないから、今後でしょうね」

 反町キャスター「現在の段階ではズレを感じるんですか?」

 平沼代表「私は彼らが感じているんじゃないかという気がしています。たとえば、我々は自主憲法を作るべきだと、天皇陛下を元首にすべきだと言っている。こういったところが合わないかもしれませんね。確かめてはいないけれど。これだけ1年ごとに総理大臣が変わっても、日本がやってこられたのは天皇陛下がおられるからですよ。それは当然ことながら、憲法で天皇陛下は元首として明記すべきだとそういう考え方」

 反町キャスター「石原新党が結党しても民主党のように分裂するようなことを心配していますが、そのタガをどう見ていますか?」

 平沼代表「そこは当然心配されるところだと思うけれども、現在の切り口だけで見ないで、もう少し様子を見てください。9日にいろいろ話し合いをするとなっている。そういう中で自ずと固まってくるのではないか。たとえば、我々は合流しても民主党のようにしては絶対いけないと思っています」

 八木キャスター「視聴者からの質問です。自民党の安倍陣営を外から支える方が、たちあがれ日本の理想が実現に近づくと思いますが、いかがでしょうか?」

 平沼代表「同趣旨のメールをたくさんいただきましたね。たちあがれ日本というのは、参議院では自由民主党と共同会派を組んでいます。衆議院は、私と園田代議士と2人ですけれども、共同会派を組んでいないんですね。私は組んでもいいと思っているんですよ。だけれども、現実私の選挙区に自民党が刺客を出しているわけですよ。これは4万票の差をつけて私が勝っているんですけれども、中国ブロックの比例の1位にしているから現職なんですよ。そうすると、私は言わないけれど、我が党の他の人が代表の選挙区に自民党の現職がいるんだったら、共同会派はどうなんですかねという話がある。だけど、僕は25年自民党の代議士をしていたんだから、衆議院だって共同会派を組んでいいんじゃないかと思っているんですよ。安倍総裁がやっている創生日本というのがあるんです、議員連盟が。党は違えど、私は最高顧問ですからね。心配されている方はそういうことをよく考えてください」

 反町キャスター「平沼さんが考えていることは第3党の新党と自民党をくっつける接着剤を目指しているという理解でもいいのですか?」

 平沼代表「それも1つでしょうね。だって、石原さんだって息子さんが自民党の幹事長をやっていたわけですから。そういうことを考えれば当然そういう選択肢はあると思うんですよ。我々たちあがれ日本を作る時、大きな目的が3つあったんです。その1つは直近に迫っていた参議院選挙で民主党を絶対に負かそうじゃないか、これは成功したんですね。それがありますから、そういう形で大きな流れを作った。安倍さんのような本当に保守と言える人達と一緒になってこの日本の政治を立て直していこうか。それはやはりこの国の憲法を改めるということをしないと日本の戦後は終わらないと思っています」

+どうなる?“第三極”連携の行方

 八木キャスター「石原新党とはどうなのでしょう?」

 浅尾議員「どこの党だからダメということを最初から申し上げるつもりはありませんので、政策協議の話があれば当然させていただくことになると思います。近々、石原さんと渡辺さんが会うと聞いていますが、いつになるかわかりませんけれども、その上で政策ということになるんだろうなと思います。特に東京都知事選がありますから、そのことが、国政の政策とは別に、最初の試金石になるんじゃないかなと思います」

 反町キャスター「猪瀬さんを支持するということですが」

 浅尾議員「猪瀬さんを支持とはっきり言ったことではないと思います。東京都知事選で、猪瀬さんがやってこられた、言ってきたことで、みんなの党と親和性が高いものがある。たとえば、都営地下鉄の民営化あるいは水道事業の民営化とか。東京都も大阪市と一緒で東京電力の株主でもあるはずですから、株主としてどういう対応をしていくかということについて、今後みんなの党としての考え方を出す。現在何とも言えないということです」

 八木キャスター「日本維新の会とたちあがれ日本の距離感をどう見ていますか?」

 松浪議員「私は自民党時代に平沼先生とご一緒したこともありますし距離感は感じないですね。と言うのは、尊敬のできる政治家というのは、政界広しと言えどもなかなか見当たらないんじゃないかな。やはり哲学、思想のある肚の座った政治家だと、尊敬に値する方だと私は思います」

 八木キャスター「橋下さんはカラーが違うと言っていますが、どんなところが違うと思いますか?」

 松浪議員「やはりこれから選挙を迎えるにあたって、我々は若造で無名のイメージで、たちあがれ日本はベテランで、それで上手くやれるのかというところに慎重になっている面があると思います。本当に政策がばちっと合うんじゃなければ、亀裂が生じた時に修復は不可能である。我々が日本維新の会を作る時、みんなの党、民主党、自民党といろいろいるわけですから、本当に価値観の摺合せをがっちりやりました」

 安倍解説委員「政策面を詰めてからということですか?」

 松浪議員「政策面というか、価値観というのか、道州制を導入する、憲法を改正する、これが一番の優先順位である。我々は統治機構に対しては明治を終わらせる。そして外交については戦後を終わらせるというのが我々のもともとの綱領ではないですけれど、最初の文章に書いたわけですよ。そういう意味では大目標は変わらないというのは、石原さんのおっしゃる通りです」

+日本維新の会 松浪議員に聞く “第三極”政策の相違&大連合

 松浪議員「消費税にしろ、原発にしろ、維新の政策に関して大きな誤解があるといつも感じるんです。検討されていることが、マスコミがわっとなって、そういう話題が一人歩きする違和感がある。消費税についても11%なんて報道されたんですけれど、その前提が全然記者の方にも知られていない。あれは、道州制推進知事の会議で橋下さんが出された。前提は道州制なんですね。11%という文字だけが一人歩きをしてしまった。自民党、公明党は、自民公明案の道州制基本法を政調まで通しているんですね。これが動き出せば5年かかります。自民公明案ですら。5年経ってから消費税がどういうふうになるのか。その時に、地方交付税をコンバートすれば、だいたいそれぐらいの額になりますねという時間軸のズレが地方税化の場合ズレこんでいるなというのが私の実感です」

+次期衆議院選挙 選挙公約

 反町キャスター「選挙公約は時間軸に気をつけないと、言葉が悪いですけれど騙されてしまう。日本維新の会がすぐにできるのは何ですか。そのバランスは日本維新の会の中で割り振りができているのですか?」

 松浪議員「現在、維新八策の項目については、長期にするのか、短期にするのか、国会議員団にそれを仕分けしてくれと言われている。それの仕分けに入っているところですね」

 反町キャスター「首相公選制は何十年も先?」

 松浪議員「憲法を改正すれば、見えてくる。憲法改正は、みんなの党、たちあがれ日本、自民党を入れても96条改正先行という形になるでしょうから、96条を改正してから、それからの議論になる」

 反町キャスター「見えてこなくなりますよね」

 松浪議員「首相公選制は憲法を改正してから。道州制については、自公案ができているのですから、自民党の中でも様々な傾向がある。それを我々がレバレッジになって、すぐにでも基本法を通してくれ、それをすぐにやってくれ、これは喫緊ですよね。通してからできるまでミニマムで5年。3年で制度をどういうふうにするのか、2年間で関連法を改正していく。衆議院の議員定数240人に削減も道州制が実現すれば出先機関の国家公務員が地方公務員に移る。33万人いるうちの21万人が地方の出先機関にいて、出先を全部入れるわけにはいかないから、おおよそ国家公務員の半分を地方に渡す。財源も渡す。国会議員も仕分けする。歳費その他の経費、政党交付金の3割削減は、政党交付金は3割を残して戻すことに日本維新の会はなりますね。歳費その他は国会で合意を得なければいけないので、これから出します。脱原発依存体制の構築は、自民党は3年議論すると言っていますが、3年間を無駄にするわけにはいかない。規制委員会が2年間でどういう形にするのか。たちあがれ日本の再稼働容認があるんですけれど、2年間は再稼働は難しいわけですよ。我々のブレーンの飯田先生なんかは、それからのビジョンがしっかりすれば、2年後から再稼働はあり得るかもしれない」

 反町キャスター「飯田さんって再稼働容認なんですか?全然逆じゃないですか?」

 松浪議員「再稼働容認というとおかしくなるんです。規制委員会の厳しい基準を設ける。規制員会で厳しい基準を設けると技術的な要因でこれまでより原発はコストがアップするんですね。そうすると、現在50基あるうち、再稼働できなくなる部分がかなり出てくる。福島の件以来、保険コストを入れると、現在1200億円しかないのですが、それが兆単位になってくる。一桁、二桁、付随するコストが上がってくる。これも入れて原発のコストを考え直し、果たしてどこの程度まで再稼働できるのかというのは、コスト高になってくる中で新しいエネルギーミックスを作っていくということなんですね」