日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長は3日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に配備されている垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの訓練に関し、6日に予定される菅義偉官房長官との会談で、沖縄の負担軽減のため、八尾空港(大阪府八尾市)を含む他府県での一部受け入れを提案することを正式に表明した。一方、八尾市の田中誠太市長は3日、府に対し「受け入れられない」と伝えたことを明らかにした。
大阪市長の橋下氏…地元・八尾市に事前説明せず
維新は従来から「沖縄の負担軽減」を外交・防衛政策の柱の一つに掲げているが、八尾空港での訓練受け入れに関しては地元自治体に打診しておらず、八尾市などは強く反発している。
受け入れに関し、橋下氏は記者団に対し「防衛政策の観点で精査したわけではないが、(政府に)訓練ぐらいは受けましょうと言っていく」と説明。「具体的に大阪のことに言及しないと無責任になる」とし、菅氏との会談で、維新幹事長の松井一郎大阪府知事とともに、八尾空港を候補地として挙げる考えを示した。
ただ、地元自治体の反発については「松井知事が協議すると思う」と述べるにとどめ、参院選での争点化についても「分からない」と明言を避けた。
一方、田中市長は3日夕、記者団に対し「八尾市に何も説明がないままで遺憾だ。(受け入れには)安全性に不安がある。市長の私には市民の安全を守る責務がある」と述べ、松井氏に対し、真意を問う文書を送る考えを示した