毎日新聞 2013年06月06日 11時28分(最終更新 06月06日 12時28分)
日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)は6日午前、首相官邸で安倍晋三首相、菅義偉官房長官と会談し、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に配備された垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの訓練の一部を、八尾空港(大阪府八尾市)で受け入れる意向を伝えた。会談は菅氏と約30分行い、その後、首相とも約20分行った。
会談には、沖縄の地域政党「そうぞう」代表の下地幹郎前衆院議員、維新の松井一郎幹事長(大阪府知事)らが同席した。
出席者によると、橋下氏は首相との会談で、「政府が八尾空港と決めたら、全力で私と松井氏が地元を説得する」と表明。首相は「ぜひ検討させていただきたい」と応じたという。菅氏は会談後の記者会見で、「訓練移転など負担を全国で分かち合っていくことは大事。提案を歓迎したい」と語った。
オスプレイの訓練受け入れ表明には、維新として沖縄の負担軽減に取り組む姿勢を強調することで、7月の参院選に向け挽回を図りたいとの思惑があるとみられる。ただ、八尾空港は市街地にあり、八尾市の田中誠太市長が受け入れ反対を表明するなど反発も強く、実現の見通しは立っていない。
沖縄県でも橋下氏が在沖縄米軍に風俗業の活用を勧めた発言への批判は強く、失地回復につながるかは不透明だ。【熊谷豪、村上尊一】