反都構想の法定協メンバー“排除” 橋下市長の争点化に議会反発

msn産経ニュースwest 2014/02/06

 出直し市長選を表明している日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長が6日、大阪都構想の特別区設置協議会(法定協)で反都構想の自民党などのメンバーを代えることを争点化すると表明し、波紋を広げている。対抗馬擁立を見送ろうとしている各党を挑発した格好だが、議会側からは「横暴」「二元代表制を無視している」など批判が噴出。橋下市長は7日に辞職届を出すが、反発を強める他会派が「不同意」とする方針で、辞職日は自動失職の27日になる公算が大きい。

「民意を問う」

 「法定協は都構想の設計図を作る協議の場で、ひたすら反対を唱えるのはルール違反」。橋下市長は記者団の前で気色ばんだ。

 法定協は府市両議会の議決を経て設置された。規約で特別区の区割りや名称などを記す協定書の作成を目的とし、「(メンバーは)目的に従い、誠実にその職務を行わなければならない」と明記されている。

 橋下市長は規約を根拠に、都構想反対の自民、民主系、共産のメンバーを“排除”する意向を表明。「重大なことなので有権者の民意を問う。メンバーを代えるかどうかの大戦(おおいくさ)だ」とまくしたてた。

 維新側は法定協で過半数を持っておらず、協定書作りを加速させても採決が厳しい。橋下市長には、こうした状況を打開する狙いがあるとみられる。

事務方想定せず

 「特別区設置に関する協議会の中で、違う話(反対意見)もされたらいいじゃないですか」。橋下市長は昨年1月18日、法定協の前身の大都市制度推進協議会の会議で、自民市議らに発言した。この言葉には、推進協から制度設計を行う法定協に早く移行したいという意思がにじんでいた。

 自民市議はこうした過去の言動を指摘し、「都合が悪くなると言い方を変えて、付き合っていられない」とあきれ顔。「市民の代表として都構想のデメリットを指摘することは大事だ」と言葉に力を込めた。民主系市議も「もうむちゃくちゃ。横暴としか言いようがない。議会側の立場を無視するものだ」と吐き捨てた。

 規約で会派ごとのメンバー数は定めておらず、各会派の協議で構成を決めてきた。事務方は一方的な交代劇を想定せず、「議会の意向を無視し、そんなことができるのか」と戸惑った。