維新の橋下・松井両氏、衆院選不出馬 支援者に伝える

日本経済新聞 2014年11月23日

維新の党の橋下徹共同代表(大阪市長)と松井一郎幹事長(大阪府知事)は23日、12月14日投開票の衆院選に出馬しない方針を固めた。同日、大阪市内のホテルで行われた支援者らの会合で関係者らに伝えた。

 地域政党「大阪維新の会」を安定的に運営し、看板政策の「大阪都構想」を実現させるには、市長・知事を続けた方が有利と判断したとみられる。

 来年4月の統一地方選を控えた大阪維新の府議、市議らが出馬に強く反対したことや、市長・知事の後継候補選びが難航したことも、判断に影響したもようだ。

橋下氏らは前回の2012年衆院選では、都構想への協力を前提に、大阪府内などで公明候補の立つ小選挙区に候補を擁立しなかった。

 しかし、その後、公明との関係は悪化。都構想の設計図に当たる協定書は今年10月、公明、自民など野党会派が過半数を占める大阪府・市両議会で否決された。

 このため維新は今回、公明前職が出馬予定の大阪、兵庫の6選挙区に公認候補を擁立する方針を表明し、橋下氏は今月15日の街頭演説で「都構想実現のためには公明党の議席を奪うしかない。市長と知事も辞めなければいけない」と指摘。

 橋下氏は佐藤茂樹・公明府本部代表が前職の大阪3区、松井氏は北側一雄公明副代表が前職の同16区から出馬するかどうかを検討していた。

 橋下氏らの出馬は、江田憲司共同代表ら維新の国会議員団が要請していた。