大阪維新の会が掲げる大阪都構想の制度設計を担う法定協議会が30日、大阪市役所で開かれ、維新代表の橋下徹市長は10月に大阪府市両議会で否決された協定書(設計図)を改めて提出した。来年2月の両議会で協定書議案を再提案するため、それに先立つ1月13日の次回法定協で採決するよう橋下氏が提案、維新と公明党メンバーの賛成多数で了承した。次回も公明は賛成する方針で、協定書は自民党など野党側が求める大幅修正を経ずに成案化される見通し。
法定協で橋下氏は、議会で協定書に関する実質的議論がないまま否決されたとして、同じ内容の協定書を提出。来年1月13日に採決するよう求めたが、自民、民主、共産各党のメンバーは「日程ありき、結論ありきで十分な議論ができず、法定協を形骸化させる」などと反発した。
一方、これまで自民などとともに反対してきた公明の清水義人府議団幹事長は「この協定書では駄目という見解は変わっていない」としながらも「最後は住民の声で決するべきじゃないかという声があることも確か」と住民投票には賛成する姿勢に転じて、橋下氏が示した日程通り決定した。
今後、橋下氏と維新幹事長の松井一郎府知事は次回法定協で可決される見通しの協定書を総務相に提出し来年2月の両議会に再提案。両議会で維新と公明を合わせた過半数の議決を得て、住民投票を5月17日に実施したい考えだ。住民投票で過半数の賛成が得られれば、平成29年4月に都構想が実現する見込み。
これまで公明は、7月に維新メンバーのみの法定協で完成させた協定書を「修正で済むレベルではない」(市議)と問題視し10月27日に自民などとともに両議会で反対した。だが、衆院選後、維新の党が府内で比例第1党になったことを重視した党本部の意向を受けて方針転換。協定書をまとめる次回法定協がわずか2週間後に決まり、大幅修正は事実上不可能となった。
橋下氏は終了後、「任期中に結論を出すのが政治家としての使命だ」と記者団に語り、2月議会での可決に改めて意欲を示した。