告示日の3日、公明の府議選候補者の応援のため大阪市住吉区を訪れた山口那津男代表は雨の中、声を張り上げた。統一地方選は全国で行われているにもかかわらず、大阪入りはすでに3回目。1週間前にも訪れたばかりで、この翌日も府内4カ所を回った。
公明府本部幹部は「代表が告示前から何度も来るのは初めて。それだけ大阪が危ないということ」と打ち明ける。告示以降、太田昭宏国土交通相や北側一雄副代表ら大物が続々と大阪入りしており、党の危機感を浮き彫りにしている。
「都構想は統治機構を変えるだけ。もっと大事なことは皆さんの生活だ」
9日に大阪市内で行われた府議選と市議選の公明候補者による演説会で、市議選の現職候補は持ち時間の半分以上を都構想批判に費やした。
公明は告示時点では「都構想は争点ではない」との見解を示していたが、5日になって府本部幹部が市議らにメールで、「中途半端な対応で、自民のみならず共産にも票が逃げている。都構想反対は改めて訴えた方がよい」と通達した。
早速、都構想批判を始めた陣営関係者は「活動しやすくなった」と歓迎。終盤に向けて「都構想反対を訴え、支持者の票を固めたい」としている。