大阪市を廃止し5つの特別区に分割する「大阪都構想」の住民投票(17日投開票)は最終盤に入り、14日は賛成派の維新の党が全国から多数の応援部隊を集結。反対派の自民党は党本部役員も投入するなど、総力戦の様相を深めた。
「今こそ維新の党の力を発揮する時だ」。同党の松野頼久幹事長は14日午前、大阪市内のビルで全国から集まった国会議員や地方議員、秘書らを激励した。関係者によると、午後にはさらに大阪入りしたメンバーもいたという。
参加者はそろいのTシャツに着替え、ビラがつまった袋を手に市内24区に散らばった。ただ、急遽(きゅうきょ)の決定で「応援部隊の動きが入ってこない」と語る地元市議も。国会議員は国会出席のため東京に戻った後、再び大阪入りというあわただしさとなった。大阪維新の会代表の橋下徹市長や同幹事長の松井一郎大阪府知事も市内各地で精力的に説明会をこなし、都構想への理解を求めた。
一方、自民党は神戸市やさいたま市など同党所属の政令市議らが応援に駆けつけ、市内各地で街頭演説を展開。同日正午からは大阪城公園(大阪市中央区)前で、大阪市議とともにマイクを握り、神戸市の安井俊彦市議は「政令市は日本のエンジンだ。橋下市長のマジックにかかり、解体してしまうことは国家の損失につながる」と政令市の利点を強調。さいたま市の島崎豊市議も「(大阪市の廃止は)1〜2カ月のような短期間で決める問題ではない。時期尚早だ」と有権者に慎重な判断を求めた。
また、これまで住民投票に積極的に関与してこなかった党本部も同日、田中和徳・組織運動本部長を派遣した。
公明、共産の両党も市議や府議が市内各地でビラまきや街頭演説を実施した。