産経WEST 2015年9月19日
11月8日告示、22日投開票の大阪市長選で、自民党市議団は18日、議員団総会を19日午後に開き、柳本顕(あきら)幹事長(41)の擁立を決める方針を固めた。柳本氏は無所属で立候補する。総会後、事実上の出馬表明を行う予定。自民府連は市議団決定を20日の選挙対策会議で追認し、党本部に推薦を求める方針。
柳本氏は5月の住民投票で頓挫した「大阪都構想」反対派の旗頭。ポスト都構想と期待された大阪会議や総合区の迷走を理由に、大阪維新の会が8月、都構想への再挑戦を市長選と同日投開票の知事選の争点に掲げたことから、自民府連内部で柳本氏擁立へ向けた動きが本格化していた。
柳本氏は18日、産経新聞の取材に「都構想は住民投票で決着がついた。対立から脱却し、経済成長や住民に身近な行政をめざす真っ当な市政を取り戻したい」と語った。
柳本氏は住民投票で共闘した公明党や共産党、民主党など非維新勢力を結集したい考え。12月の市長任期満了での政界引退を表明した大阪維新の橋下徹代表の後継候補と争う、維新vs非維新の構図となりそうだ。
市議団は、安倍晋三首相(党総裁)肝いりの安全保障関連法案の趣旨に理解を示す大阪維新との表立った争いを避けるため、擁立の決定を先送りしてきた。しかし19日未明にも同法案が参院本会議で可決、成立する見通しが立ったとして、柳本氏擁立へ踏み切る。
柳本氏は大阪市西成区出身。関西電力を経て、平成11年に大阪市議に初当選し現在5期目。出馬に伴い議員辞職する意向で、西成区選挙区の市議補選が市長選と同時実施される見通し。
大阪市長選では18日、元北区長で、兵庫県加西市長を2期務めた中川暢(ちょう)三(ぞう)氏(59)が無所属での立候補を表明した。