揺るぎない決意

大阪市会議員(自民党)活動外伝 2015年12月1日

 例えば、今この現実を見た上で出馬を決める前の日に戻れるとしても、私は今回の市長選挙への出馬を決意していた。

 敢えて、あの頃に戻って軌道修正するならば、出馬表明の時期と伴う準備、W選挙にあったて事前の知事選挙に対する関与について、少し工夫をしたかもしれない。

 5月17日は奇跡的に賛否拮抗の中で、大阪市廃止・分割して特別区を設置することに対しての反対票が上回った。投票率が高い中での反対多数は、広く大阪市民が関心を深く寄せた結果であると重く受け止める必要がある。一方で、0.8%程の差であることを考えれば、積極的に賛成票を入れ、大阪維新の会の考え方に信奉する人も相当数存在すると考えなければならない結果と言える。

 だとするならば、5月の住民投票に続く11月の大阪市長選挙も大変厳しい戦いとなると想定される。とりわけ、橋下人気をけん引力に大阪では絶大なる力を誇る「大阪維新の会」に対抗するためには、単純な数合わせの読みと結果が合致することは想像し難い。

 しかし、私はいつからか、この戦いに臨まなければならないことを決意していた様に思う。改めて、何かをきっかけに、誰かの言葉を端緒として決めたというわけではないが、いつしか逃れえない、また逃れようとすることもなく、渦の中に自ら身を投じていったようにふり返る。  勝たねばならない戦いにあって、誰なら勝てる可能性が一番高いのか?ということを考えた時に、候補者選定の中心となる自民党市会議員団幹事長という第三者的立場においても「柳本顕」という結論を出すことになると、近しい人に伝えたこともあった。見えない敵を前に、現実を知る厳しい数字は、その当時から手元にあった。しかし、何とか追いつき追い越していかなければならない。

 もしかしたら、橋下市長の再出馬もあり得るかもしれない。そんな憶測も飛び交う中ではあったが、私は出馬の意向を固めた。確かに、4月に議席を頂いた大阪市会議員を投げ出すことになる申し訳なさや知事候補者も含めて未定である中どの様な戦いになるのか、不安はないわけでは無かったが、とにかく、戦いに向けての狼煙を上げなければならない。進まなければならない。

 仮に、橋下氏の再出馬がなかったとしても、騙しや脅しやまやかしで彩られるような市政、下品な言葉や誹謗中傷で個人や団体を攻撃する様な政治、府と本市だけに目を向け周辺自治体や関西圏域での大阪の役割、ましてや海外も含めての自治体外交に背を向ける大阪市からは脱却しなければならないという強い思いがあった。

 まっとうな大阪を、創り直さなければならない。

 決意に迷いはなかった。そして、その決意を今悔いることも全くない。