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アベノミクスは、金融政策と財政政策で景気を回復されれば、経済は成長軌道に乗るので、そこで成長を促進する政策を打ち出して後押しする、というものです。
金融政策でカネを増やしたり、財政政策で仕事を創り出せば、景気は回復する、というのは、いちおう経済学の常識と言えると思います。
では、景気が良くなれば、経済は成長軌道に乗る、いいかえれば持続的に経済は成長していく、さらに言い換えるなら、国内総生産が増大していくのか、というと、経済学にはそれを保証する理論はありません。
小生は、もはや日本経済は成長しないとみるべきではないか、と思います。絶対に成長しない、とは言い切れませんが、かなり難しいでしょう。
これは、単純な話で、日本は人口減少・高齢化が進みますが、そうなると経済は基本的には成長しない、ということなのです。
いま、ある国で、一種類だけの生産物を生産している、そして、労働者の生産能力はだれでもみな同じ、とします。
そうすると、
国内総生産=一人当たりの生産量×労働人口
となりますから、労働人口が減れば、国内総生産は減る。人口減少・高齢化社会では、基本的には労働人口が減る。ゆえに人口減少・高齢化社会では経済は成長しない。成長しないどころか、国内総生産は減るはずです。
もちろん、一人あたりの生産量を増やせば、労働人口の減少をカバーできます。
では、一人あたりの生産量を増やすにはどうすればいいか。
一人あたりの生産量=労働時間あたりの生産量×一人あたりの労働時間
ですから、労働の効率を上げるか、さもなくば、労働者が頑張って今までより長時間働けばいい。
では、高齢化社会の労働者が、頑張って働くでしょうか。労働の効率を上げる、ということは、たとえば技術革新のようなことですが、老人が技術革新を行えるでしょうか。
こういうふうに考えれば、人口減少・高齢化社会である日本の経済は成長しない、とみるのが、まあ常識的と言えるのではないでしょうか。
「潜在成長率」という数値があります。
「潜在成長率とは、国内にある“モノやサービスを生産するために必要なもの(生産要素)”を、最大限に利用したときに実現する国内総生産(GDP)の伸び率のことです。つまり、国内の労働力や設備、技術、知識などを十分に活用すればこれくらいの経済成長はできるといった、いわば一国の経済の実力を表すものです。潜在成長率は�]�働力の伸び、�∋駛椒好肇奪�の伸び、��生産性の伸びで説明されます。
(引用元は こちら)
この数値は日銀のサイトでみることが出来ます(こちら)。
潜在成長率は、1983年度から1991年度までは3%台後半から4%台前半で推移していましたが、その後低下し続け、2009年度以降は年0%台前半で推移しています。つまり、今の日本経済の実力ではうまくやっても…景気が回復して、完全雇用が達成されても…年0%台前半の成長しかできない、ということです。
この「実力の低下」はバブルの崩壊したころから始まっています。その原因は分かりませんが人口減少・高齢化ではないでしょう。人口減少・高齢化はこれから進行していくのですから。
いずれにせよ、現状でこの程度の潜在成長率なのですから、人口減少・高齢化が進めば、この数値はますます悪化すると思われます
以下は余談というか、ちょっと思いついたことを書いておきます。
従来有効であった景気対策が、現在は効果が薄いのはなぜか、ということについては、小生にはわかりません。
ただ、なんとなくですが、景気対策が有効であったのは、経済が成長軌道にあった、潜在成長率が高かった、経済の実力があったから、ではないかと思うのです。
たとえ話で恐縮ですが、基礎体力のある若者は風邪をひいても、ちょっと市販の風邪薬を飲んでおけば治ってしまう。しかし老人はそうはいかない。そんな感じなのではないか。
アベノミクスでは、景気が回復すれば経済が成長軌道に乗る、ということを暗黙の前提としています。
しかし、もし景気対策が有効であったのは経済が成長軌道にあったからだ、ということであれば、アベノミクスでは景気は回復しないし、経済も成長しないのではないでしょうか。