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アベノミクスを考える
 第2章 アベノミクスで何が起こったか (1)株高・円安

この章では、アベノミクスが経済に及ぼした影響についてみていきます。

安倍晋三氏が自民党総裁に就任し、首相になることが予想されるようになったのは2012年秋ごろです。このころから、円安・株高が進行しました。

安倍首相が自民党総裁に就任したのが2012年9月26日。その時の日経平均は8906円70銭ドル円相場(みずほ銀行公示相場)77円78銭でした。その後、円安・株高が進行し、日経平均のピークは2015年6月24日、18年半ぶりの高値、終値2万833円21銭。ドル円相場のピークは6月4日、13年ぶりのドル高、125円86銭。総裁就任時に比べて日経平均が234%上昇、163%のドル高。

アベノミクスの金融政策によって、お金がたくさん供給される、おカネをたくさん供給すれば、人々はそのおカネで株を買いますから株は上がります。

あるいは、アベノミクスによって景気が良くなる。景気が良くなれば企業の業績はよくなりますから、株価が上がるでしょう。

というわけで、人々は将来の市場が株価の上昇を予想して、株を買いに入った、その結果株価が上昇した、ということでしょう。

ドル円相場については、円をたくさん供給すれば、相対的に円の価値が下がる、すなわち円安が予想されるので、市場は円売りドル買いに動きます。となれば、円安が進行する。

実体経済がどうなるか、ということとは関係なく、とりあえず、円安・株高が進行したということです。

そして、円安は輸出企業に有利、ということで、それがさらに株高を招くという結果になりました。

日経平均株価の推移の推移
ドル円相場の推移

安倍首相とそのブレーンが、アベノミクスによる株高・円安を意図していたかどうかはわかりません。仮に意図していたとしても、そんなことは公言できません。株安・円高はアベノミクスの副次的効果というべきでしょう。

しかし、その効果はかなり大きかった、というべきでしょう。

2015年7月以降、株価、ドル円相場とも値を戻します。2016年7月末(29日)日経平均終値は16,569.27円、ドル円相場(みずほ銀行公示相場)は104円47銭。ピークからは値を戻しましたが、それでも首相就任時に比べて日経平均が186%上昇、ドル円相場が134%のドル高。

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