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大阪人権博物館

いささか旧聞(2012年4月のこと)になりますが、たまたま目につきましたので。

橋下大阪市長ウォッチ
「大工になるには?→工務店求人に応募」 「なんじゃこりゃ〜」と教育施設に文句
J-CASTニュース 2012/4/22 11:25

橋下徹大阪市長が、大阪市内にある「大阪人権博物館」のリニューアル内容に「なんじゃこりゃ〜〜!」と文句をつけている。

橋下市長が知事時代、「府の出資法人等」である財団法人が運営している大阪人権博物館の展示内容について、「リニューアル指示」を出していた。ところが、リニューアル後の展示内容に疑問の声があがったため、先日視察に行ったのだそうだ。


「どこが将来を考える教育施設じゃ〜!」

橋下市長は2012年4月21日のツイッターで、

「知事時代、展示内容が酷かった人権博物館に対して展示のリニューアル指示を出した。子どもが自分の将来を考え、夢や希望を実現するために何をしなければならないかを考える教育施設にして欲しいと。リニューアルのコンセプトにもかなり時間をかけて担当局と協議した」

と「大阪人権博物館リバティおおさか」の話題を持ち出した。2010年度の「収支計算書」をみると、大阪府も大阪市も、財団法人へ補助金を出している。ツイッターではさらに、

「出来上がったものがおかしいと市長になってから指摘を受けたので昨日、松井知事と視察しに行った。おかし過ぎる!いつもの差別・人権のオンパレード。それは大切だが、まずは子どもたちに夢や希望を実現するために頑張ろうと言う気持を起こさせることが重要」

と「リニューアル指示」の方向性について説明した。

しかし、視察した橋下市長は、リニューアル後の展示に大きく失望したようだ。

「最後にやっと将来の夢のコーナー。壁に何かが貼ってある。大工になるには?→工務店の求人に応募すること。野球選手になるためには?→ドラフト会議で指名されること。教員になるためには?→教員試験に受かって教育委員会に任命されること。なんじゃこりゃ〜〜!どこが将来を考える教育施設じゃ〜!」

(以下略)

たしかにリニューアル展示の内容はひどい。しかし…。

>知事時代、展示内容が酷かった人権博物館に対して展示のリニューアル指示を出した。

部落差別が過去のものとなりつつある今、展示内容が今の時代にそぐわなくなっていたことはありうると思います。というのは、小生の職場でも、同和問題研修などというものもありましたが、だんだん内容が変わっていって、最後には障がい者に対する差別とか、女性の差別、セクハラ、パワハラのようなものを取り上げるようになりました。

だから、「展示内容が酷かった」というのはあったかもしれません。しかし、橋下に、展示のリニューアル指示を出す権限はあったのでしょうか。確かに大阪府がカネを出してはいます。だが、口を出す権限はあったのでしょうか?

運営団体である財団法人大阪人権博物館の収入167百万円のうち大阪府が122百万円 大阪市が45百万円だから、大阪府の意見を聞かざるを得ないのかもしれないが、本来は、展示内容は財団法人大阪人権博物館が決めることでは?

>子どもが自分の将来を考え、夢や希望を実現するために何をしなければならないかを考える教育施設にして欲しいと。

大体「博物館」は教育施設なのだろうか、という疑問があります。それはさておいても、「子どもが自分の将来を考え、夢や希望を実現するために何をしなければならないかを考える」これは、本来の人権博物館の設立趣旨とは全く違うのでは。本来は、「部落問題」などの人権問題を考えるための博物館で、どちらかというと、人間の醜さを認識することが目的でしょう。夢や希望なんか、ぶっ壊れるような事実があるということを知らしめるのが目的。

したがって、リニューアルで出来上がった展示がおかしいのは当然でしょう。

本当に、「リニューアルのコンセプトにもかなり時間をかけて担当局と協議した」のでしょうか?橋下市長は、松井知事はきちんとフォローしたのでしょうか。いや、フォローが可能だったのでしょうか?

このあと、橋下は大阪人権博物館への補助金を正式に廃止したらしい。

橋下市長 人権博物館への補助金打ち切りを表明
スポニチAnnex  2012年5月7日 22:28

なんだか、最初から実現不可能な無理難題を吹っかけて、それが出来ないことを口実に補助金廃止に持って行ったような気がしますね。


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