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知恵袋の質問-回答より
(質問)
東條英機について、石原慎太郎東京都知事は、『産経新聞』九月五日号(隠居注.平成17年)掲載の『日本よ』という論文で、次のように論じて辛辣に批判していますが、どう思いますか?「私は毎年何度か靖國に参拝しているがその度、念頭から私なりに何人か、あの戦争の明らかな責任者を外して合掌している。」
「A級戦犯の象徴的存在、かつ開戦時の首相東条英機は、戦犯として収容にきたMPに隠れて拳銃で自殺を図ったが果たさずに法廷にさらされた。
彼を運び出したアメリカ兵は、彼が手にしていた拳銃が決して致命に至らぬ最小の22口径なのを見て失笑したそうな。
そうした対比の中で、ならばなぜ大西中将や阿南陸相は合祀されないのか、私にはわからない」
「あの裁判の非正当性にかまけて我々があの戦争の真の責任者について確かめることなしに過ぎてしまうなら、他國からいわれるまでもなく、われわれはあの戦争という大きな体験を将来にかけてどう生かすことも出来はしまい。」
「南京大虐殺なるものも…靖國に祭られる者の資格云々と共に我々自身の手で検証されるべきと思うのだが。」
この新聞に掲載されたエッセイは、石原慎太郎の公式ホームページにも転載されているので、確認できます。エッセイの主旨は、どうやら、先の戦争を日本人自ら検証・再評価せよ、ということで、東條英機自殺未遂についての記述は、ちょっとその主旨からは外れるのですが。
小生は、直感的に、大西中将や阿南陸相が合祀されていないというのは本当かな、ということと、22口径では死ねないかどうか、についても調べる必要があるかな、と思いました。
ただ、調べている暇がないので、小生は、とりあえず「他人が自殺に失敗したことを非難するなら、自分か自殺に成功してからしなさい、と言いたいです。」と回答。自殺するというのも、結構難しいらしく、失敗する人はいくらでもいますし、自殺ではなく、銃弾が頭蓋骨を貫通しても、命が助かる例もあるらしいですから。
Wikipediaの「東条英機」には、米軍の救命措置により、奇跡的に一命をとりとめた、ということが書いてあります。
銃弾は心臓の近くを撃ち抜いていたが、急所は外れており、アメリカ人軍医のジョンソン大尉によって応急処置が施され、東條を侵略戦争の首謀者として処刑することを決めていたマッカーサーの指示の下、横浜市本牧に設置された野戦病院において、アメリカ軍による最善を尽くした手術と看護を施され、奇跡的に九死に一生を得る。
また同じくWikipedia「東條英機自殺未遂事件」という項もあり、詳細が記されています。(「東条英機」の記述とは若干異なる)
自殺の方法として、撃ったのが心臓で、頭でなかった、とか、32口径でなく22口径ピストルを使用した(32口径だった、という説が主流らしい)、あるいは短刀を使用しなかった、とかいうことで、批判されていますが、普通なら死んでいたでしょうね。
靖国神社に、大西中将や阿南陸相が合祀されているかどうか、については、知恵袋の回答より。
これに関しては訂正記事が出ているはず。使用した拳銃はコルトの32口径だし、大西中将や阿南陸相は合祀され、遺品も展示されています。
訂正記事があるかどうか、調べてみたかったのですが、産経新聞は縮刷版がないらしいし、近くの図書館では、資料として置いていない。国立国会図書館にはあるらしいが、さすがにそこまではちょっと。暇があれば行ってみようか、と思っていたところ、ネットでこんなのが見つかりました。
通信用語の基礎知識「石原慎太郎」
…大西中将や阿南陸相は、念入りに靖国に合祀されている。大西中将なら遺書や刀、阿南陸相なら血の付いた軍服が、遊就館に展示されている。従って非難轟々、当然、翌日には訂正記事が出ることになる。
このサイトは、石原慎太郎には、全体的には好意的ないしは中立的、とみられるので、信用できるでしょう。訂正記事は出ているらしい。
あーあ。
「我々は石原慎太郎の言葉の真偽について確かめることなしに過ぎてしまうなら、他人からいわれるまでもなく、われわれは石原の言葉を将来にかけてどう生かすことも出来はしまい。」
「石原の言葉は我々自身の手で検証し直すべきと思うのだが。」
それにしても、石原の言葉を検証するのは、手間が掛かります。
余談ですが、石原慎太郎公式ホームページでは、訂正記事のことは、何も触れられていません。
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