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横田基地

石原都知事一期めの公約に「横田返還にYES」とあります。昔から、横田基地返還を公約に掲げていたんですね。あまり進展しているとは思えませんが。

石原は「新・堕落論」では基地の土地の返還のこともさることながら、横田管制空域の返還を主張しています。

「横田を占有している米軍が、演習のためと称して民間機を排他している空域は成田や羽田、入間といった飛行場の管制空域よりはるかに大きく新潟県にも及んで」いる。そのため、民間の航空路が混雑し、危険な状態である、という。
さらに、「滑走路が4本となった羽田の航空管制は極めて難しいことになる。」
「にもかかわらず、日本政府はこの問題でも、今から本気でアメリカとかけ合う魂胆などありはしない」
し、「米国も一旦手にしてしまったものを手放そうとはしない。」
「彼らは首都東京のなかにあるあの膨大な横田基地を、かつての世界大戦での勝利の記念品と称しています。」

一地方自治体の長が、外交・防衛に関わる問題に口を出す、というのはどうかと思うが、それはさておき。

横田管制空域が、どの程度民間機の交通の障害になっているのか、小生はわかりません。しかし、飛行場がある以上、その飛行場が管轄する空域というものがあるでしょう。

また、軍用機は民間機に優先されるべき性質のものであるだろうし、どの程度優先されるべきか、ということについても判断できません。しかし、仮に自衛隊が横田基地を使用していたとしても、横田管制空域は残るだろう。

さらに、これは今さら言うべきことでもないのですが、アメリカ人で横田基地が戦勝記念品だと言う人があっても、別に驚くべきことではないでしょう。そういう人が、日本にも米国にもいるだろう、ということだけです。また、既得権を手放そうとしないのも、日米とも同じでしょう。

とはいえ、横田基地返還問題については、小生は特に意見はありません。

小生が一番引っかかるのは、「ただの兵站基地として日常殆ど使われていない厖大な横田基地」と表現しているところです。この「ただの兵站基地」という言葉です。石原が兵站・補給ということを軽視していることです。こういう人間が、軍事について何やら知っているような顔をしてモノを言うのは、とんでもないことだ、と思います。

かつての日本軍が補給・兵站を軽視して、無理に戦線を拡大し、結局大敗した、ということ、ガダルカナルやインパールで、多くの死者・餓死者を出したこと、現地調達主義で進出していった国において物資を調達し、その国にインフレを起こし迷惑をかけた、こういうことを知らないのでしょうか。

海軍の例で言えば、米国の潜水艦は日本の輸送船を狙ったのに対し、日本の潜水艦は戦艦を狙い、結局は返り討ちにあっている、ということも。


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