トップページへ・
「石原慎太郎批判の概要」へ
「時事評論集」のトップへ・前のページへ
2012年4月16日、石原慎太郎東京都知事が突然、尖閣諸島を東京都が購入する、と発表して大騒動になりました。こういう大ネタを、我がホームページで扱わないと言うわけにはいかない、と言うわけで本件論文を「緊急特別寄稿」と称して掲載しました。
事実確認等、若干あやしいところがあるかもしれませんが、ご容赦を。
さて、まずは、この問題の経緯を確認しましょう。
今回の事件が起こる前は、そもそも尖閣諸島なんて知らない、と言う人が多かったのではないかと思います。
尖閣諸島（せんかくしょとう）は、東シナ海の南西部にある島嶼群。石垣島北方約130-150kmの、北緯25度43分 - 56分、東経123度27分 - 124度34分の海域に点在する。尖閣列島（せんかくれっとう）ともいう。日本が実効支配しており、中華人民共和国および中華民国がそれぞれ領有権を主張している。
(Wikipedia「尖閣諸島」より）
要するに領土問題のある島々です。どこにあるか知らない方は、地図で確認しておかれるとよろしいでしょう。尖閣諸島と領土問題である尖閣諸島問題について詳しく知りたい方は、とりあえずWikipediaなどをご参照。
この領土問題は、だいぶ前からのものであるようです。「新・堕落論」には、石原慎太郎は、有志が尖閣諸島に灯台（のようなもの）を「建設」するのを支援した、と記載されています。また、石原が魚釣島の灯台を海図に記載しようとして、外務省の反対によって、潰された、と書かれています。これは、多分、自民党政権時代、石原が運輸大臣だった頃の話のようです。
それに対し、政府は、尖閣諸島を、年間２５００万円を支払って賃借したうえで、一般人の島への上陸を禁止しています。つまり、それだけ中国を刺激しないよう、配慮していました。
これは、自民党時代の話であり、民主党政権はそれを継承しただけです。そして、民主党政権はいまのところ2年間であり、その後半の1年は、震災・原発事故対応で尖閣どころではなかった、と思われます。
民主党政権の中国漁船衝突事件での対応がスマートでなかった、ということはあるでしょう。政権運営に慣れていなかったのでしょう。それに対して尖閣諸島の所有者が不信感をもったとしても、当然かもしれません。そのため、所有者が、現政権下の国に土地を売却したくない、と考えた、というのも、頷けます。
しかし、石原慎太郎は、自分のわがままを通すために、都のカネで尖閣を買う、といっている。自らの手で、尖閣の実効支配をすすめよう、ということでしょう。
国としては、中国を刺激しない、という方針があるのだから、何もしない、が正解でしょう。持ち主が売る、というなら、国が買う、が正解でしょう。東京都が買ったら、石原が勝手なことをするのですから。
石原は、国の方針にさからっているだけです。もちろん売買は、法的には何の問題もありません。しかし、元国会議員であれば、立場をわきまえるべきでしょう。本来ならば、石原は、所有者を説得し、国を説得して、国の所有を実現させるべきでしょう。
東京都が所有したところで、防衛上は何の意味もありません。万一の場合、東京都は何もできないのですから。対処するのは国ないし自衛隊でしょう。
問題を整理します。
�ヽ宛鮠紊量簑�
東京都が尖閣諸島を所有すれば、石原は尖閣諸島の実効支配を強めようとするでしょう。それに対して、中国が反発し、実効支配には実効支配で対抗、ということで、島を占拠するかもしれません。そのあとどうなるか…。
また、石原が、実効支配云々と騒ぐこと自体、尖閣諸島に領土問題が存在することを認めたことになる、中国は、石原の発言を歓迎している、という話もあります。
��国との役割分担
万一、中国との衝突という自体に陥った場合（その可能性は否定できない）、東京都は何もできないでしょう。石原は責任を取れる立場にありません。対応するのは国であり、自衛隊です。
にもかかわらず、国の専権事項である外交・防衛に影響を及ぼしかねない行動を勝手にとるというのは、おかしいのでは？
��石原の公私混同
石原は、その政治的信念に基づき、東京都知事という立場を利用して、尖閣諸島を東京都に購入させようとしています。しかし、石原の政治的信念はあくまでも石原個人のものであり、東京都知事の職とは無関係でしょう。尖閣諸島の購入が、東京都にメリットがないことは明らかです。
�げ�縄県等の立場を無視
石原は、この話を、地元の沖縄県あるいは石垣市などの頭越しに決定しようとしています。しかも、沖縄は中国との距離も近く、万一の場合の危険も大きいのです。
小生、最初は、この問題は、石原の公私混同である、ということに気づきませんでした。中国との摩擦のほうに、気を取られてしまったのです。しかし、よく考えてみれば、公私混同ですね。スケールがおおきかったので、気がつかなかったのだ、と思います。
リンク大歓迎！
このWebサイトはリンクフリーです。