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芥川賞選考委員辞退 2012年1月18日

石原氏、芥川賞選考委辞意「全然刺激にならない」
msn産経ニュース 2012年1月18日(全文掲載)

芥川賞の選考委員を務めている東京都の石原慎太郎知事は18日、「全然刺激にならない」として、今回限りで選考委を辞退する考えを明らかにした。

石原氏は報道陣に対し「いつか若い連中が出てきて足をすくわれる、そういう戦慄を期待したが、全然刺激にならないからもう辞めます」と語った。

石原氏はこれまで若手作家に関し「自分の人生を反映したようなリアリティーがない。(作品に)心と身体、心身性といったものが感じられない」などと語り、今月6日の知事会見では「苦労して(同賞候補作を)読んでますけど、バカみたいな作品ばっかりだよ」と話していた。  ただ、今回受賞した田中慎弥氏が「都知事閣下と都民各位のためにもらっといてやる」と語ったことについて、石原氏は「皮肉っぽくていいじゃない。むしろ彼の作品を評価していた」と述べた。

 芥川賞主催の日本文学振興会によると、石原氏は平成7年から選考委を務め、今回の選考は石原氏を含め9人の委員で実施した。

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これは、どういう趣旨の発言か?

石原慎太郎は、基本的には本音で語る人です。素直に受け取ればいい。

「苦労して(同賞候補作を)読んでますけど、バカみたいな作品ばっかりだよ」「全然刺激にならないからもう辞めます」。ほかに「自分の人生にとって意味合いもない」とも言っている(読売新聞1月18日。)

なに、要するに、つまらないからやめる、というだけのこと。

彼はもともと、言葉に鈍感。だから「刺激にならない」のは当たり前。なんで選考委員になれたんでしょう。

彼の言葉は、自分の欲望のままに発せられるだけであって、他人になにかを伝えようとするものではありません。彼の言葉に対する態度がそのようなものであるのですから、他人の文章を批評する能力がありません。

いままで、選考委員をやっていたのが不思議なくらいです。

☆  ☆  ☆

さて、彼は、基本的には本音で語っているが、自分のことは飾って言う。

「いつか若い連中が出てきて足をすくわれる、そういう戦慄を期待したが」…これです。若い連中が俺を追い越せない。つまり俺はえらいんだ、と…。

☆  ☆  ☆

それにしても、石原は何を思って選考委員をやっていたんだろう。功なり名遂げた作家だったら、違うことを言って欲しいですね。

芥川賞は新人にあたえる賞だから、その意味で「バカみたいな作品ばっかり」で当たり前、ということは既に述べた。もしそうなら、選考委員はもう少し余裕をもって、新人を発掘し、育成する、ぐらいの余裕が無くてはならない。そういう人は、「いつか若い連中が出てきて足をすくわれる」なんて言ってはならない。

また、選考委員には、新しい時代に対応した、新しい文学の発掘、みたいな使命もあるだろう。その場合には、後世おそるべし、という謙虚な姿勢がなければならない。それなら、「いつか若い連中が出てきて足をすくわれる」のは当然のことでしょう。

いずれにせよ、選考委員は、世の中にいい作品を紹介するという、重要な役割を担っている。刺激になるかどうか、などという、自己中心的な理由で、選考委員をやってほしくない。

☆  ☆  ☆

これ、田中氏に芥川賞「もらってやる」と言われたから、石原が辞めたんじゃないね。石原は自分の言葉に責任を感じる人ではないから。

うーん、事実上、やめさせられた、ということじゃないかな。

ほかの選考委員はまじめにやっているのに、石原は不真面目で、勝手なことばかり言う。それで、委員の間に亀裂ができて、辞任する人も出てきた。そういう時に、「バカみたいな作品」と言ったものだから、文芸春秋のお偉方が怒ってやめさせたんだ、きっと。

「芥川賞は新人発掘のための賞です。したがって候補作品は玉石混淆です。選考委員には、この中から光るもの、あるいは磨けば光る物を探し出す役割があります。あなたにはそれができないのですから、やめていただきます。当方から解任を発表すればあなたに傷が付きますから、ご自分から辞任を表明してください。」とか言われたとか…。

まったくの憶測ですけど…。


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