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橋下はイジメのリーダーである

橋下の支持者には、彼はは学者、評論家など、権威に果敢に挑戦してなで斬りにし、公務員、教育関係者など、既得権益の保持者を相手に戦い、連戦連勝、と思われているようです。強きをくじき、弱きを助ける正義の味方、とみえるようです。

そもそも、人々は権威を煙たがります。それゆえ、権威が失墜するのを見るのを好みます。ですから、学者、評論家などが、橋下にコテンパンにやられるのを見て、というより、やられたと勘違いして、快哉を叫びます。

橋下氏の「餌食」になった…まあ、厳密に言えば攻撃の対象になった、ということなのですが…のは政治学者の山口二郎氏、精神科医の香山リカ氏、経済学者の浜矩子氏などなど。

ネットの動画などを見てみますと、橋下は相手の言っていることに答えず、自分の主張を繰り返し、言葉の数で勝っているだけで、さほど橋下が論で勝っているようには思われません。

この点は、動画を書き起こして分析すれば、明らかになると思うのですが、結構手間がかかるというようなこともあり、まだやっていません。

学者、評論家はその道の権威だし、論争にも慣れているはずだから、橋下と互角ないしはそれ以上に戦えるはず、と思うかもしれませんが、さにあらず。彼らは論ずることには慣れているかもしれないが、「論争」には慣れていない。彼らにとっては、論ずることによって、真実に近づくことが目的であって、論争に勝つことは目的ではないのです。

一方、橋下は弁護士出身です。論争して勝つのが弁護士の仕事。論争に関して言えば、橋下はプロで、学者、評論家は、アマチュアです。論に勝っているように見せる技術については、橋下は、1枚も2枚も上。橋下の「術」については、次のページで参考サイトを紹介しています。

論じているつもりの学者・評論家は、橋下の言うことを聞いて、必要なら反論しようとします。橋下の話を聞いているうちに、なにやら橋下が一方的に話している、というようなことになる。

学者・評論家は議論に関係のないことは無視します。たとえば、橋下は「学者は世間を知らない」「評論家は無責任」などと言いますが、こういう発言は、論には無関係なので、無視します。そうすると、テレビの向こう側の視聴者には、橋下に反論できない、と映る。

しかもテレビ番組などでは、橋下が議論をリードできるような仕掛け、有利に見えるような仕掛けがしてあったりします。これについても後述します(「電話投票 視聴者の8割が橋下を支持」「水道橋博士 たかじんnoマネー降板」ご参照)。

学者・評論家は、論争、とりわけ、「討論ショー」(橋下の出演するテレビ討論番組で仕組まれているもの)では、弱者で、橋下が強い立場なのです。

余談ですが、橋下が法廷闘争で、彼の弁論術を使って勝てるか、というと、そうでもないと思います。法定の場合、彼の相手は彼と同様のプロの弁護士です。そして、裁判官が議論の流れをコントロールし、最終的な判定は、裁判官が行います。こういう状況では、橋下の「術」は通用しないのではないかと思います。

公務員、教育関係者などはどうでしょうか。自分より恵まれている人々に対しては嫉妬します。それゆえ、こういう人々を叩かれると、人々は快哉を叫びます。橋下は、普通の人々のそういう感情それを利用しています。

橋下が巧妙なのは、社会的に恵まれている(と思われている)人々「既得権者」のなかの少数者、弱者を叩くということです。

たとえば、公務員です。公務員は、世間からろくに仕事をしないで、良い給料をもらっている、と思われています。だから、公務員を叩くと、世間にウケます。しかし、公務員全体を敵に回すのではなく、公務員のなかでも、世論に対して弱者の立場になる少数を叩きます。具体的には、「入れ墨」公務員、高給を取っている市バスの運転手、大阪市の喫煙職員などですね。

教員ないしは教育関係者も同様です。橋下は「君が代口パク」教員を叩きました。桜宮高校問題でも、世論にたいして弱い立場にあった教員や教育委員会をたたきました。結果的に見て、教員や教育委員会に、何らかの失敗があったことは明らかです。そこを、容赦なくたたきました。

マスコミはどうでしょうか。マスコミも、学者や評論家と同様、権威であり、人々に煙たがられる存在。

マスコミは政治家の監視を自らの役割と自認していますから、もともと、仲が悪い。そして橋下も一応政治家ですから、マスコミと仲が悪い。しょっちゅう小競り合いをやってはいます。しかし、いちばん派手にやったのは週刊朝日の件でしょう。

橋下徹の出自を書いて問題になった「週刊朝日による橋下徹特集問題」では、週刊朝日と朝日新聞を徹底的にたたきました。本来、週刊朝日と朝日新聞は別物ですが、そこはマスコミの代表としての「朝日」をたたいた。

小生は、週刊朝日がああいう記事を出したこと自体、異常だったと思います。一方で、他の週刊誌はもっと前から、こういう暴露記事を載せていましたし、そういう意味で、いまさら何を、という感じがしています。しかし橋下は、普段人権擁護ではうるさい「朝日」がこういう記事を載せた、ということで、叩きました。これには週刊朝日はぐうの音も出ない。世論は橋下に味方します、というより世論は週刊朝日の味方は出来ない。こういう弱い立場の「朝日」を徹底的にたたきました。

つまり、橋下は、「世論」を味方にして、あるいは「世論」の黙認のもとに、権威とか、社会的に恵まれている人(と思われている)などを叩いているのですが、その全体を敵に回すのではなく、そのなかの弱者・少数者を徹底的にたたいています。

多数を味方にして、ないしは多数の黙認のもとに、弱者・少数者を、叩くのは、イジメです。イジメの対象が、人々から、権威のある人たち、恵まれた人々とおもわれているので、イジメにはみえないのです。

橋下は、イジメのリーダーなのです。


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