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前章「公明党の方針転換」でとりあげた橋下と公明党の取引について、首相官邸が仲介した、と言う噂がありました。ネットで見られる記事をいくつか拾ってみました。
まずは、11月26日青山重晴氏の発言。これは、 関西テレビの“ニュースDEズバリ”のなかでのこと。
後半の部分で、青山繁晴氏が橋下徹の衆院選不出馬に関しては、官邸が動いたのではないか、と言っています
小生が調べた限りでは官邸の仲介に関するものではこれが一番早い。不出馬表明が11月23日ですから、3日後のこと。この時点でこういう話が出ていた。
自民党は公明党に自民党候補者のサポートをしてもらいたい。そこで官邸は公明党に恩を売るために、橋下に出馬しないように働きかけたと言うことらしい。
次は12月4日刊ゲンダイ。
巷では「橋下が都構想の行き詰まりにほとほと困って、衆院選では歯向かわないから何とか都構想実現に協力してくれませんかと公明党に頭を下げた」とか、「いや、公明党のほうが橋下・松井の立候補で再び“橋下ブーム”が起きて、大阪・兵庫の6議席全滅となるのを恐れて、橋下さえ出馬を取りやめてくれれば競合しない他の選挙区では維新を応援すると申し出た」とか、いろいろ取り沙汰されている。
「…橋下が出ようとした大阪3区ですら公明前職の佐藤茂樹に勝てるかどうか分からない。松井の16区にいたっては相手が北側一雄副代表で歯が立たない。2人揃って落ちたら大阪維新はオシマイ。だから出馬をやめただけですよ」
「いや、衰えたりといえども橋下が出れば、全国的にはそこそこのブームが起きて野党陣営が勢いづく。それが安倍政権にとっては脅威で、官邸サイドから『ここはこらえて、大阪でちゃんと都構想を仕上げてから次の機会に国政に出てくるのが筋だろう。そうすれば安倍政権が都構想の実現に全面的に協力するから』と囁きがあったのではないか」
次は、山上俊夫 日本と世界あちこち 12月26日「公明党、都構想で橋下維新と裏取引背後に首相官邸の陰謀」。25日夜、公明党が橋下に方針転換を伝えた直後の記事です
ここ2日間の報道(朝日、毎日)によると、まず、菅官房長官から創価学会幹部に対し、公明党に関係修復を求めるよう働きかけがあった。
ここに書かれている「ここ2日間の報道(朝日、毎日」については、縮刷版でも見ればわかるかもしれませんが、まだ調べていません。新聞記事になるくらいでしたら、かなり確度の高い情報でしょう。
わたしが注目するのは、首相官邸が動いたことだ。安倍首相、菅官房長官は大阪の自民党の頭越しに、都構想に賛成だとかねてからいっていた。維新は次世代の党とともに憲法改悪の際にもっとも信頼できる勢力だ。だが一番の頼みの次世代の党が、19から2議席に激減、壊滅した。この4年間に改憲をするとなると維新の勢力を大事にしなければならない。だが、大阪で都構想がつぶれると、橋下氏は政治から手を引き芸能界に戻る可能性が大きくなる。そうなると改憲構想にさらに狂いが生じる。そうしてはならないというのが、安倍首相、首相官邸の考えだろう。そこで創価学会に圧力をかけたということだ。
12月29日 広原盛明の徒然日記 公明党が維新の「大阪都構想」の住民投票に協力するなんて、これはもう「狐(維新)」と「狸(公明)」の騙しあいだ、だがその裏には安倍政権と維新との間に国会での協力関係の「密約」があったのではないか、2014年総選挙を分析する(その14)
一説によれば、その背景には菅官房長官が創価学会幹部に維新との協調を働きかけ、それを受けた学会幹部が動いたことがあるらしい。もしこのことが事実だとすれば、今回の大阪での公明党の豹変は、次期国会での安保法制の審議に重大な影響を及ぼす恐れがある。というのは、自公与党は衆院で憲法改正発議に必要な3分の2以上の議席を確保しているが、参院では3分の2に届かず、維新など改憲勢力との協力が不可欠だからだ。
私が察するに、橋下氏が大阪での窮地から脱するためには公明党との協力関係を復活させることが第一であり、このため菅官房長官に対して国会での自民党への協力と引き換えに公明党との仲介を依頼したのではないか、ということだ。安保法制議案や改憲発議への協力と引き換えに、大阪で公明党が維新に妥協することを持ちかけてというものだ。
大阪都構想:公明「寝返り」再始動 法定協、維新ペース 橋下市長「住民投票で民意」
毎日新聞 2014年12月31日 大阪朝刊
衆院選で橋下、松井両氏が、公明幹部のいる大阪の選挙区から衆院選立候補を示唆し、最終的に見送ったため、「密約」もささやかれた。維新関係者は「今回の絵を描いたのは菅義偉官房長官と松井幹事長。憲法改正を見据え、菅氏は維新を離したくないのだろう」と話す。公明関係者によると、菅氏は学会幹部と「維新が衆院選で一定の議席を取れば、改めて話し合う」と合意し、衆院選後に維新への協力を働きかけ、自公連携を維持したい公明側も受け入れたという。【林由紀子、山下貴史】
安倍首相は大阪都構想に理解を示してはいるが、さすがに、官邸が公明党と橋下の仲介をしたというのは否定しています。
首相「都構想意義ある」 憲法改正でも維新に秋波
産経ニュース 2015年1月14日
公明党が住民投票の実施容認に方針転換したことに関し、首相は番組で「全くない」と強調したが、維新顧問の松井一郎大阪府知事とパイプを持つ菅義偉官房長官が調整に動いたとの見方は消えない。
しかし、自民党大阪府連が大阪都構想には反対しており、党としては大阪のことは大阪で決めるとべきということで中立の立場(これについては後述します。
都構想に対し、自民党は大阪府連が反対し、党本部内も「大阪の線引きを変えるだけの話だ」(幹部)と冷ややかに見る向きが強い。
にもかかわらず首相=自民党総裁が大阪都構想の応援をするというのは、異例でしょう。
菅官房長官が絵を描いた橋下徹と公明党の「密約」全舞台ウラ
フライデー 2015.02.02
今までご紹介した記事と内容は重複していますが、ここでは次のパラグラフに注目。
もともと自民党の大阪府議だった松井氏は、菅氏ときわめて親しい間柄だ。自民党が野党に転落した直後には、松井氏が大阪に菅氏を呼び出し、「また必ず自民党の時代が来る。その時まで頑張りましょう」と再起を誓いあったほどだ。’12年の自民党総裁選前、安倍晋三氏を日本維新の会代表に担ぐ構想があったが、その時も「菅=松井」ラインが動いていた。
維新の松井一郎大阪府知事と、菅官房長官が「きわめて親しい間柄」なのだそうです。
ニュースポストセブン 2015年6月8日大阪都構想住民投票終了後の記事で、賞味期限切れのような気がしないでもないが、内容的には、一連の動きには学会内部の主導権争いが絡んでいた、とか。
諸説紛々、真相は藪の中。安倍首相は否定していますが、小生は、官邸の仲介はあったのではないか、と思っています。
というのは、12月4日日刊ゲンダイの記事にあるように、橋下や松井が公明党の候補者が立候補する選挙区に立候補して争ったとしても、必ずしも勝てるとは限らない、つまり公明党のほうから橋下に立候補を取りやめてくれ、と頼み込むほどのことはない、と思うからです。橋下としても、振り上げたこぶしを下ろしたのには、なんらかのキッカケはあったはず。それが官邸の仲介だったのではないか、ということです。
そして、「官邸」には、なにやらそうするだけの理由はあった。仲介によって、公明党にも橋下にも恩を売ることが出来ます。「官邸」は将来橋下(維新の党)に憲法改正に協力してもらいたい。自公連立内閣を盤石なものとしておくためには、公明党が大阪で議席を失うのは、回避したい。こんなところではないか。
前回衆院選と同様の「取引」で、橋下は公明党の方針を変更させました。取引というよりは一種の脅迫と言ったほうがいいかもしれません。
もし、首相官邸がこの取引を仲介したのであるなら、首相官邸は脅迫事件の共犯者でしょう。
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