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どうして亀井氏は新党結成を呼び掛けたの?

さて、この新党結成にいたるまでには、かなりの紆余曲折があります。

新党結成の話は、2011年11月あたりから出ていました。亀井静香が国民新党とたちあがれ日本を主体として、石原慎太郎を党首に担ぎ、新党を結成しよう、と呼びかけたのです。そのほかに、愛知県の大村知事とか、橋下大阪府知事、民主党の小沢元代表や自民党山崎氏などにも、反自民、反民主で結集しようと、広く声をかけたようです。

亀井氏自身は、自分には人気がないことを知っていて、人気のある石原慎太郎を党首に担ごうとしたのでしょう。

当初、周囲の反応は冷ややかでした。平沼氏は、新党構想は「亀井氏の一人芝居」、石原慎太郎は「バカなことを言って大迷惑」とまで言っています。そのほかも同様。そもそも、亀井氏のおひざ元である国民新党の連中が賛成しない。産経新聞は「内紛勃発」とまで言っています。

しかし、年が明けて、2012年1月になると風向きが変わります。新聞は、1月26日、3月に新党結成で合意、と報じました。そして、亀井氏はどうやら、国民新党のメンバーの説得にも成功したようです。

ところが、亀井氏は、3月末ごろ、野田首相の消費税増税方針に反対して、連立を離脱する、と言い出し、国民新党内の反発をくらって党代表から解任され、亀井氏は離党する羽目になりました。そして、石原は2012年4月の段階では、新党構想は白紙に戻す、と言っています。

亀井氏がどこまで本気で新党結成を考えていたのか、小生は疑問に思っています。亀井が、郵政改革見直しが進まないことにいら立ち、これをやってくれないなら、国民新党は石原新党に合流し、連立内閣を離脱するぞ、と脅しをかけたのではないか、と勘繰っています。 先に引用した産経新聞の「内紛勃発」の記事では<亀井氏は「新党は法案を通すためのテコだ」と一蹴。>とありますね。これが本当の目的ではなかったか?

国民新党のメンバーは、連立に残って郵政改革見直し法案を成立させよう、と亀井氏を説得したようです。党首を解任して連立に残り、郵政改革見直法案を通してくれ、とまで言われれば、民主党もこの話を進めざるをえなかったでしょう。4月27日、郵政改革見直し法案が成立します。

Wikipediaを見ますと、亀井静香というひとは、有言実行の人のようです。筋をとおすひとでもあり、実行力のある人でもある。国民新党は、郵政改革見直しのための党であり、その目的を達成が達成されれば、国民新党は不要であり、当然、亀井氏も代表でいる必要もない。だとすれば、自分が解任される、という芝居を打って、郵政改革見直しを推進し、一足先に離党した、というのは憶測にすぎないでしょうか。

石原慎太郎を論ずるつもりが、大分わき道にそれてしまいました。もし、小生の憶測があたっているなら、石原慎太郎は、亀井静香に利用されたことになります。

4月6日石原慎太郎は亀井静香の離党について「仲間に追い出されて、自業自得じゃないかな。」と言ったそうです。石原慎太郎は「利用されていた」と知ってこういったのか。それなら「自業自得」というのもそうでしょう。しかし、石原はその後、新党結成に乗り気になって、亀井静香に一緒にやろう、と声をかけています。

石原新党をめぐるごたごたは、まだまだ続きます。今回はこのへんで。


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