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日本国の政治の根幹である憲法を取りあげましょう。石原慎太郎の憲法廃棄論について。
2002年12月の都議会本会議において石原知事が、国会の2/3以上の発議・国民投票での過半数の得票という憲法改正手続きを定めた条項を無視し、国会の議決で憲法を破棄することを主張した問題について、共産党の吉田信夫都議が「憲法99条で定める(公務員の)憲法擁護義務違反ではないのか」と撤回を求めたのに対して、
「99条違反で結構であります。私はあの憲法を認めません」といったそうです。
私は憲法改正に賛成でも反対でもありません。正直言って迷っています。なぜ迷っているか。やっぱり、自衛権としての戦争を放棄する、と割り切るほどの勇気がない。 一方において、現行憲法が戦争はもうこりごりだ、という戦後の日本人の心情に基づいたものであり、それはそれで尊重すべきだ、と思うからです。大方の日本人はこんなものではないでしょうか
そして、このような日本人の憲法に対する矛盾した心情は、日本人がいわゆる太平洋戦争を冷静に考えることが出来るようになるまで、消えないでしょう。それはもう少し後の時代になってからかもしれません。
それはさておき、反石原慎太郎の隠居としては、なんとか彼に反論しなければなりません。そんなこと誰も頼んでいない、とか、ためにする議論だ、とかいう批判があるかもしれませんが、それもさておき、やってみましょう。
改憲賛成・反対はさておき、彼は民主主義を無視しています。彼は、「現行憲法は与えられた憲法だから、認めない。」といいたいのでしょう。しかし、憲法を改正する手続きは定められているのですから、その手続きを踏んで、憲法を改正するなり、破棄するべきなのです。彼はその手続きを無視せよ、といっています。手続きとは民主主義そのものといってもいいのです。
民主主義的手続きによってなされた決定が、常に正しいとは限りません。正しいか、正しくないかわからないからこそ、手続きにのっとって議論し、結論を出すのです。それが民主主義なのです。
したがって、彼は、民主主義者ではありません。どうです、こういう議論は?
もう一つ、別の角度から。
慎太郎さま、あなたは日本国憲法に基づき定められた民主主義的手続によって選出され、都知事になりました。もし、その慎太郎さまがが憲法を否定すなさるなら、石原東京都知事の正統性をも否定することになります。それでいいですね。
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