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石原慎太郎と戦争

石原慎太郎いわく、

2005年6月1日付の英紙タイムズとのインタビューで、2008年の北京五輪ボイコットを呼び掛けるとともに、

「中国が尖閣諸島(中国名・釣魚島)を占領しようとしたら、日本はフォークランド紛争のような小規模な戦争を遂行すべきだと述べた。」

小規模な戦争にとどまるという保証はどこにあるんでしょう?答えはこれか?

週刊文春 2005年5月12日号にて、

「もし中国の艦船が領海内に侵入し、警告しても退去しないならば、撃沈すればいい。それで中国との摩擦が生じて紛争が起きたならば、日米安保に則ってアメリカが出てくるだろう」

紛争が起きた後、アメリカが出てくるという保証は、どこにあるんですかね。彼自身もこういってます。

2010年(?)週刊新潮で、尖閣諸島での漁船衝突事件にふれたあと、

「仮に日本が核を保有していたら、こんな事態にはならなかった。核保有の日本が戦争を始めたら、アメリカは困るから助ける。アメリカは自分が囲ってきた妾が、他の誰かの方へ行くよりはいいと考えるだろう。」

つまり、日本が核保有していない現状では、アメリカは日本を助けない、ということになりませんか?

で、もうひとつ、

2009年4月12日、陸上自衛隊練馬駐屯地の創立58周年記念式典で、北朝鮮ロケット発射問題などに関連して、

「日本は相変わらず国連さまに依存して、結局その国連は何の役にも立たなかったじゃないですか」
「私たちは国連やアメリカを気にしなくとも自分自身でこの国を十分守れる」

いったい、アメリカを頼りにしているんですか、いないんですか?

なにか、戦前の日本の軍部を思い出しますね。

たとえば、軍部は、中国と戦争(日中戦争=志那事変)をはじめたとき、限定的な戦争(戦闘)ぐらいにしか思っていず、長期化、泥沼化を予想していなかった。

軍部が太平洋戦争に勝てる、とか、勝てないまでも戦争を終わらせる、というシナリオを持っていなかった。いや、正確に言えばなかったわけではないが、ドイツがヨーロッパにおいて勝てば、アメリカ国民に厭戦気分が充満する。そうすれば、講和にもちこめるだろう、程度だったとか。

戦争は相手のある話で、自分の思惑(希望的観測)どおりにはすすまない。始めるのは簡単でも、終わらせるのは難しい。石原慎太郎はこんなことも知らないんですかね。


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