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石原慎太郎とスポーツ

石原慎太郎はカッコいいです。彼はスポーツマンです。ヨットマンです。健康で強そうです。結構なことです、それはそれで。

ところで、

1987年12月19日、ヨットマンたちの合同忘年会での席上で、

「小網代港の魚網はヨットの邪魔だから運輸大臣任期中に取り除かせる」

彼は、1987年11月6日に運輸大臣に就任、翌年12月27日まで運輸大臣でした。したがって、就任直後ではないにしても、それに近い時期の発言です。

問題点その1。魚網は漁民が生きるための糧を得るための道具、ヨットはいかに高価なものであれ、所詮は遊び道具、おもちゃ。仕事と遊び、普通の感覚でいえば、どちらが優先されるべきか、明らかでしょう。

問題点その2。運輸大臣という政治的立場を利用して、魚網を取り除かせる、と言っています。これは公私混同。

ここで、彼のあるべき行動は、一個人として、漁協の組合長に会いに行って、「魚網がヨットの航行の妨げになっていますが、何とかならないでしょうか。」と、お願いする、ということ。「なんとかならない。」と言われたら、はいそうですか、とあきらめるか、「こういうふうにしていただけませんでしょうか。」と具体的に頼み込む。お金がかかるようであれば、自腹を切って、あるいはヨットマンに呼びかけて費用を負担する。こんなところでしょう。

大臣という立場を利用して何とかしよう、というのは、フェアじゃないですよね。スポーツマンシップはどこに行っちゃったんでしょうね。

「健全な肉体に、健全な精神が宿る」とは限らない、という事例じゃないでしょうか。

過去にこういう話がありますから、石原慎太郎が東京マラソンだ、オリンピック招致だ、といっても、どうしても疑いの目で見てしまいます。

東京マラソンについては、隠居はなんとなく釈然としない思いを持っています。そもそも、空気の悪い都心を走る、という不健康さ、日曜日とはいえ交通規制をして、一般の人たちに迷惑をかけるということがありますが、そのほかにも、こんなことがあります。

東京都には青梅マラソンというのがありまして、歴史は案外古く、1967(昭和42)年から。多摩川上流沿いの、風光明媚な、とても東京とは思えないようなところがコースになっています。市民参加型で、距離は10kmと30km。フルマラソンではありません。開催日は2月の第3週の日曜日。

で、東京マラソンも2月開催で市民参加型。フルマラソンとそうでないもの、という違いはありますが、隠居は、石原慎太郎は東京マラソンを立ち上げるにあたって、青梅マラソンのような田舎の大会の参加者は減ってもいい、と考えていたのでは、と勘繰りたくなります。

で、また話は飛びますが、最近皇居の周りを走る人たちのマナーがわるいとか。一般の通行人に対し、邪魔だ、どけどけ、とばかりに、歩道を爆走しているとか。都知事のまねをしているんじゃないかしら。


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