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では、発信する内容…とりあえず「スローガン」と呼びます…を絞り込んで、他政党(共産党)と統一できなかったのでしょうか。
もっともあり得ないのは「ポスト都構想」でしょう。「ポスト都構想」はなかったからです。「ポスト都構想」には大阪都構想の対案としての意味合いがありますが、夢のようなすばらしい大阪都構想に対抗しうるような案は存在しえないし、不要でもあります。
現実の大阪の未来像、実現可能性のある社会の未来像としての「ポスト都構想」…「制度ではなく政策で」「しくみではなくなかみです」と訴えてきたもの…は完成していなかったのではないかと思います。
単に複数の政策の羅列ではなく「あるべき社会」を実現するための複数の政策の有機的な組み合わせとしての構想はなかった。
仮にあったとしても、他政党に説明し、納得してもらい、必要であれば調整し終わったものではなかったでしょう。
次にスローガンになる可能性の低いのは「橋下維新反対」でしょう。
自民党支持者の大半も共産党支持者も本音では「橋下維新反対」ですが、これでは広く有権者の共感を得られないと思われます。
「橋下維新反対」といえば、橋下維新陣営から当然反撃があり、お互いの非難合戦になるでしょう。そして非難合戦は、第三者がみると「どっちもどっち」に見えてしまうのです。小生のようなアンチ橋下維新でさえ、見ていて気持ちのいいものではありません。
こうなると、普段投票に行かない人たちは、当然投票を棄権するでしょう。柳本氏の票を増やすことはできません。
2011年の大阪ダブル選で平松氏が敗けたのは、平松陣営が橋下センセイのネガティヴキャンペーンをやりすぎて有権者の反発を招き、それが橋下に投票させることになったからだ、という説もありました(たとえば こちら)。
柳本氏の念頭には、この2011年のアンチ橋下維新の失敗があったかもしれません。
アンチ橋下維新陣営が「大阪都構想反対」を共通の発信内容にすることはできたでしょう。大阪都構想否が大阪維新の会以外の政党が反対し、住民投票で否決された流れのなかでは、しかも「都構想復活」が表向きの争点であった選挙戦では当然といえば当然です。
それでは「争点ずらし」に対応できていないのですが、「大阪都構想反対」を言い続ければ、表向き「都構想復活」を掲げている橋下維新陣営はこれに応戦せざるをえなくなる可能性がありました。
そうなれば、市長選は住民投票の再戦になり、勝負は5分5分でしょう。ただし、勝つのは難しいか。
「争点ずらし」に臨機応変に対応できていれば、勝つ可能性は大きくなったでしょう。
では「まっとうな大阪」はどうか。これは可能性大でしょう。
柳本氏も栗原氏も「まっとうな大阪」を発信しています。(柳本氏は こちら・栗原氏は こちら)
そして、共産党も「まっとうな大阪」を言ってはいるのです。
大阪ダブル選挙 「オール大阪」の共同で橋下「維新」に終止符を
しんぶん赤旗 2015年11月6日
いまこそ橋下「維新」政治を終わらせて、府民の声と民主的な議論で政治を前に進める「まっとうな大阪」をつくるときです。これだけ見れば「まっとうな大阪」でスローガンを統一するのが自然ではなかったでしょうか。
ただ、この記事では「アンチ橋下維新」のニュアンスが強いです。
そして、この記事にでてくる「明るい民主大阪府政をつくる会」…共産党系の市民団体とでもいうべきでしょうか…の ホームページを見ますと<明るい会が「機関紙 明るい民主府政 828号(日刊オール大阪 さよなら維新 vol.12)」を作成しました>と書かれています。機関紙が「さよなら維新」ですから、アンチ維新色が強く出ています。
共産党は共産党色を薄めるために、運動の主体を市民団体にしたのだと思いますが、赤旗の記事より市民団体の機関紙のほうが「維新反対」のニュアンスが強いような気がします。
そうでなくても「まっとうな大阪」を語るためには「まっとうでない大阪」を語る必要があります。そうなれば橋下維新の反撃は必至です。そして「まっとうでない大阪」から「橋下維新反対」に発展するでしょう。
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