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「住民投票運動」とは聞きなれない言葉ですが、選挙で誰々に投票してくださいと呼びかけるのが「選挙運動」ですから、住民投票で賛成または反対に投票してくださいと呼びかけるのは「住民投票運動」というのでしょう。
大阪都構想の住民投票運動は4月13日スタート。
ビラもＣＭも無制限 大阪都構想の住民投票運動「解禁」
朝日新聞デジタル 2015年4月14日
大阪市を廃止して五つの特別区に再編する大阪都構想の住民投票運動が１３日、事実上、解禁された。(中略)住民投票の告示は２７日だが事前運動の制限はなく、大阪市内では投開票日当日の５月１７日まで１カ月超にわたる宣伝合戦が繰り広げられる
(中略)都構想の住民投票は条例で行う住民投票と異なり公職選挙法を準用するが、一般の選挙運動に比べて大幅に自由な「政治活動」になる点が特徴だ。
戸別訪問や買収などは禁じられるが、選挙費用の上限はない。維新は住民投票の広報予算に４億〜５億円を見込み、多くは橋下氏が最高顧問を務める維新の党の政党交付金をつぎ込む。
一方、都構想に反対する自民党は大阪府連の予算の範囲内で活動。「出せても数千万円」（府連関係者）として、インターネット上で不特定多数から寄付を募る「クラウドファンディング」も検討する。
「大幅に自由な「政治活動」になる」がゆえに、資金力の違いは大きな意味を持ってきます。
維新の党からカネの出る大阪維新の会はテレビCMを放映するなど、派手な運動を展開しますが自民党中央からカネの出ない自民党大阪府連はそこまでは出来ない。
住民運動のようすについては下の記事ご参照
ＣＭ、コント、イメージソング… 「ありとあらゆることやる」住民投票で制限なきアピール合戦
産経WEST 2015年4月28日
５・１７決-大阪住民投票:あと１週間、新たな一手 維新、４区集中作戦 反対派、異例の連携も
毎日新聞 2015年5月10日 大阪朝刊
ありとあらゆることが出来る前代未聞の「住民投票戦」でしたが、終盤には自民・共産の連携もありました。これも前代未聞でしょう。
＜自民と共産は１０日、異例の合同演説会をキタとミナミで開く。国会では激しくぶつかる両党の国会議員が並んで街頭に立ち反都構想をアピールする。>これは前代未聞でしょう。これについて、菅官房長官が批判をした、ということは前章「官邸と自民党」 でに述べたとおり。
＜自動音声で橋下徹市長が賛成を呼びかける電話作戦も始めた。＞(前掲毎日新聞の記事）。これも前代未聞だと思っていたら、そうでもないらしい。今年（2015年）1月の佐賀県知事選で安倍首相の応援メッセージを流したことがあったとか。
なお公平を期するため…なんていまさら小生が言っても誰も信じないか（笑）…自動音声のといえば、こんな話もあったことをご紹介しましょう。
橋下氏「市民の皆さん！ 嘘ですよ」 棄権促す不審電話に怒りのツイート
産経WEST 2015年5月1日
東淀川区の男性（６９）によると、４月２７日午前、女性の声による自動音声で自宅に電話があり、「都構想に関するアンケート」として、賛否や支持政党など約１０問尋ねられた。そのうちの一つが「今回、投票に行かない場合は自動的に賛成になるのはご存じですか」という質問だったというが、発信元は不明。
こんな不審電話は、前代未聞でしょう。
話はそれますが、この不審電話事件について。
これには続報があります。記事の内容に重複がありますので、必要なところだけを抜粋します。
大阪市選挙管理委員会によると、２日までに電話を直接受けたという届け出はなく、伝聞に基づいた問い合わせが複数ある。
（橋下氏「市民に投票で虚偽電話」 産経WEST 2015年5月2日）
つまり選管には、伝聞に基づいた問い合わせがあっただけで、電話を受けた人からは問い合わせがなかった。
さらに続報。
維新が不審電話で刑事告発 被疑者不詳のまま
産経WEST 2015年5月8日
…と言うことになったそうです。
この記事では、
維新によると、市内北部の複数区で４月末、同様の電話がかかってきたとの情報が少なくとも２０件寄せられているという。
「自動音声」だとすれば、不特定多数の人に、大量にかかってくるはず。そうであれば、住民投票に影響を与えることが出来る。しかし「少なくとも20件」では、住民投票に影響を及ぼすことは出来そうもない。
維新によると、府警は同日現在、「内部で相談する」として受理していないという。
つまり、不審電話事件自体が不審だったということか？
さて、最初の記事に戻って、橋下氏の「棄権促す不審電話に怒りのツイート」とはこれのことらしい。
橋下先生らしくない、穏やかな発言ですね。普段ならもっと激しく怒っているのではないか。
不審ですな…。
大阪市は、住民投票に先だって「特別区設置協定書について（説明パンフレット）」を配布し、住民説明会を開催しました。
住民説明会は4月14日から26日まで13日間、午前・午後・夜間の3回づつ計39回。1回約2時間。
この説明会は中立性を欠く、というクレームが出ました。
４会派「橋下氏は中立性欠く」 都構想説明会の改善申し入れ
47ニュース【共同通信】 2015年4月17日
住民説明会の内容は、大阪市のホームページで見ることが出来ます。 例えば第一回のものはこちら。
2ページ目で司会者がこういっています。
開催にあたりまして、本日の日程について先にご説明申し上げたいと思います。一番最初に冊子の説明パンフレットを使いまして事務局からの説明が概ね30 分ございます。そのあと市長が参りますので、市長の方からスライド等を使いまして協定書に関する説明が概ね40 分ございます。最後に会場のみなさまからのご質問を受け賜りまして、質疑応答を概ね40 分行いたいと考えおります。
大阪都構想賛成の市長が40分もしゃべるんですから、とても中立とは言えない。市長は挨拶程度で数分、あとは事務局説明と質疑応答とするべきでしょう。
しかも当初の予が事務局説明が30分、市長40分 質疑応答45分ですが、実際には市長が50分、質疑応答が30分ぐらいです。
また、最終日4月26日城東区民ホールでは、事務局説明が30分で変わらないものの、橋下市長が70分、質疑応答が30分となっていました（ネットの動画で確認できます）。
質疑応答の時間でも、橋下市長は長々と回答していますので、結局ここでも橋下市長がしゃべりまくっている、と言う感じです。
これにはおまけがあります。
大阪都構想の住民説明会、大阪市が動画公開中止
市民から問い合わせ相次ぐ
産経WEST 2015年4月29日
大阪都構想に関する市主催の住民説明会の動画について、大阪市がホームページを通じた公開を中止したことが２８日、分かった。大阪維新の会代表でもある橋下徹市長が説明していることをめぐり、「行政の活動と政治活動が混同される恐れがある」として、２７日の住民投票告示後に自粛したとしている。(以下略）
議事録は公開するということなので、なんとなく中途半端な気はしますが、とにかく中立性に疑問があることを市が認めたようなものでしょう。
まずは新聞記事から引用します。
論戦巧者の橋下氏とテレビ討論 積極姿勢に転じた野党
リスク覚悟の真っ向対決「清水の舞台から飛び降りるつもりだ」
産経WEST 2015年５月２日
大阪市を廃止し、５つの特別区を設置する「大阪都構想」の住民投票の告示後、自民党や共産党の市議が大阪維新の会代表の橋下徹大阪市長とテレビ番組で討論を繰り広げている。橋下氏と議論がかみ合わないなどとして積極的ではなかった従来の姿勢を一転させた。１７日の投開票日に向け公開の場で「問題点」を指摘し反対票を積み上げる狙いがあるが、論戦巧者の橋下氏との真っ向対決は“失点”のリスクがつきまとう。「清水の舞台から飛び降りるつもりだ」。市議の１人はこんな覚悟を吐露した。
（中略）告示直前、反対派の野党と橋下氏が論戦する機会はなかった。橋下氏は４月１４〜２６日まで計３９回行われた市主催の住民説明会での討論を野党側に打診したが、野党側は「かみ合わない議論で市民の理解が深まるとは思えない」などの理由から参加を見送った。しかし自民市議たちのもとには「反対意見を聞きたい」との声が寄せられるようになった。これを受けて、自民が中心となって反都構想の説明会を重ねているが、投開票日が迫る中でさらに反対意見を浸透させていく必要があると判断。反対派の中でも論客として鳴らす柳本氏がテレビに出演している。
（以下略）
テレビ討論は橋下が得意とするところで、反対派はこれに応じていませんでした。小生に言わせれば、橋下脚本・演出・主演の「公開討論ショー」で、橋下が正義の味方、討論の相手は悪役、橋下が悪者をバッタバッタと切りまくり、一件落着、という筋書きのある討論。そんなものに出演する義理はない、というものでしょう。
＜告示直前、反対派の野党と橋下氏が論戦する機会はなかった。＞とありますが、実際には２月11日、自民党大阪市議団の柳本顕幹事長が毎日放送「VOICE」に、2月28日、「たかじんNOマネーBLACK」に共産党に宮原威府議が出演しています。
とはいえ、そのあとは4月29日読売テレビ「かんさい情報ネットten」に自民党大阪府連の竹本直一衆院議員、柳本市議、共産党大阪市議団の山中智子幹事長が出演するまでは、間が空きます。
その後、各局で4回ほど討論番組が放送されました。
気になるのは「勝敗」ですが、どうやら引き分け程度であったらしい。といっても、ネットで橋下支持者が「橋下が勝った、勝った」と騒がなかったから、という小生の全く主観的な判断なのですが。
これは、反対派の人たちが相当な覚悟をもって出演した（おそらくは事前準備もした）ということがあったからでしょうが、それだけでなく、テレビ局のほうも中立性を担保するために相当努力した、ということもあったようです。
以下の記事は、このあたりの事情を伝えています。
大阪都構想、手探りのテレビ報道「賛否の発言、等しく」
朝日新聞デジタル 2015年5月22日
討論のルールがきちんと決まっていると、橋下の論争術も封じられてしまう、ということでしょう。
これまでさかんに公開討論を挑んでいた橋下が、討論を拒否すると言うこともありました。
討論会中止に 出席見合わせの橋下氏「公平性が担保されていない」
野党側「言動が矛盾している」
産経WEST 2015年4月28日
「公平性が担保されていない」という橋下の言い訳には説得力がありません。法廷での弁論に際しては、公平性ということをきちんと担保することが当たり前になっているでしょう。テレビ局と違って、弁護士はその道のプロ。討論のルールがきちんと定められて、公平性が担保されてしまうことを、橋下が嫌ったのではないかと思います。
まずは、4月上旬の 朝日新聞の世論調査 の結果をご覧ください。
賛否は＜賛成が３９％、反対が４０％と拮抗（きっこう）＞つまり、約20％のひとが賛否を決めかねている。そして、
都構想の中身については、「よく」「ある程度」を合わせて「知っている」と答えた人が５７％で、「あまり」と「まったく」を合わせた「知らない」は計４２％。「知っている」層は賛成が５０％で反対の４１％を上回った。一方、「知らない」層では賛成２４％、反対３８％と逆の傾向になる。（下線は筆者）
これは、「知っている」層は賛成50％反対41％でほとんど賛否が固まっているのに対して、「知らない」層には賛否がまだ固まっていない人が32％（全体の中では、42％の38％だから16％）いることを示しています。
こうなると、この時点で賛否を決めかねている人たちに反対票を投じてもらわなければならない。
というわけで、反対派は「大阪都構想がわからなければ反対票を投じて」という呼びかけけを行うことになります。「大阪都構想実施が決まってしまえば、後戻りはできない。だからわからなければとりあえず反対に投票しましょう。」と言う意味ですね。
大手の新聞の記事は見当たりませんが、こういうのがあります。
大阪自民 大阪都構想「よく分からないなら、反対を」
アメーバニュース 2015年05月10日
自民党だけではなかったらしい。
共産党については、確認はできませんでしたが。
それに対する反応はこんな感じ。
【大阪】大阪自民 大阪都構想「よく分からないなら、反対を 」対する大阪市民の声
代表的なものをひとつだけ拾いますと
大阪都構想の住民投票で、反対派平松氏が「わからない方は、とりあえず反対で」ってわけわからん事言ってるけど、てかお前がわからん人に「ちゃんと説明して」反対派にしたらええん違うんか？納得できる説明できるんやろ？平松さん。何やねん「とりあえず」って。その時点で大阪市民バカにしてるやろ？まあ、この戦術は正攻法とは言い難いような気はします。
しかし、小生は、大阪都構想はわかりにくいと思います。ちゃんと説明してもなおかつわからんと言うことはあるでしょう。「バカにしてる」、というより、良く考えればわからない、わかっていると思っている人のほうがバカなんじゃないかと思います。
それに、丁寧に説明すると大変手間がかかります。住民投票の実施が迫っている時点では、「とりあえず反対」というのもアリだと思います。
さて、それに対して橋下はこんなことを言った。
橋下氏、住民投票「何度もやるものではない。１回限り」 否決なら都構想断念
産経WEST 2015年5月7日
こちらの新聞記事の日付は5月7日、前に挙げた「大阪自民 大阪都構想『よく分からないなら、反対を』」の日付は5月10日ですが、平松氏の発言は1月31日のものです。大阪民主党の記事では５月3日までさかのぼれる。この発言は『よく分からないなら、反対を』に対抗するためのものでしょう。
また橋下は、1月初旬にに大阪都構想が住民投票で否決されたら政治家を引退する、と 言っていた が、 5月9日（テレビ東京番組）、15日（BSフジの「PRIME NEWS」）などで同趣旨の発言を繰り返す。東京から応援に駆け付けた維新の党代表江田憲司も 同じことを言う。
橋下に政治家を引退してほしくない人に、大阪都構想住民投票で賛成に投票してもらおう、ということ。すなわち、橋下個人の人気を大阪都構想支持につなげようとする。
そして、期日前投票では、4対６で反対が賛成を上回っている、と賛成派の 危機感をあおる。
住民投票には賛成だが大阪都構想には反対と言っていた公明党の動向については、各紙はあまり触れていません。ただ、何もしていなかったわけではなかったようです。
公明、危機感あらわ 方針転換も影響 大阪都構想批判“解禁”
産経WEST 2015年4月10日
統一地方選の告示は4月3日でしたが、＜公明は告示時点では「都構想は争点ではない」との見解を示していたが、５日になって府本部幹部が市議らにメールで、「中途半端な対応で、自民のみならず共産にも票が逃げている。都構想反対は改めて訴えた方がよい」と通達した。＞とのこと。
そして、大阪都構想住民投票運動期間中については、こんな記事があります。
勝負あったか 公明党が「反都構想」に転じて“橋下包囲網”完成
日刊ゲンダイ 2015年5月14日
「大阪都構想」を問う住民投票が刻一刻と近づく中、橋下徹大阪市長の最も恐れていたことが現実になった。大阪で集票力を誇る公明党がついに反都構想で本格的に動き出したのだ。これにより自民、民主、公明、共産による“橋下包囲網”が完成、反対派の優勢が決定的になってきた。
公明党はこれまで党員に対してのみ都構想の問題点を説明すると表明し、自民、共産に比べると地味な活動しかしてこなかった。事実上の洞ケ峠を決め込んでいた公明党が反橋下で動くきっかけとなったのが、１１日に出揃った各マスコミの世論調査結果だ。軒並み反対派がリードし、読売新聞の調査にいたっては１６ポイントも反対派が上回った。これで勝ち馬に乗ることにしたのだろう。
ここでは、公明党は世論調査の結果を見て＜勝ち馬に乗ろうとした＞と言っています。しかし、別の情報もあります。
下の記事では住民投票後の大阪府・市の公明党について書かれていますが、公明党の住民投票運動についても触れられています
�猜�敵�甼恐嫉瓩梁膾綸垤汁曚鯀鬚辰晋�明党 「最大の功労者」が議会で迷走するワケ
産経WEST 2015年6月25日
勝手連的な反対運動
「（公明党の山口那津男）代表の『顔』を見つけては、一軒一軒頭を下げ、語り合ったよ」
反対多数に終わった５月の都構想をめぐる住民投票終了後、大阪市内在住の公明党大阪府本部の関係者はそう振り返った。投票日まで、壁などに山口代表の顔が写った党のポスターを張っている家を見つけては呼び鈴を鳴らし、都構想反対への理解を求めたという。
住民投票の投票時間終了まで、各党は組織を挙げた運動を展開したが、公明党府本部だけは都構想に「反対」としつつ、組織的な運動を控えた。政局や選挙への影響をにらみ、維新との関係悪化を嫌った支持母体「創価学会」や、党本部の意向をくんだとされる。
ところが、大阪市内選出の議員や関係者たちの一部が、勝手連的にそれぞれの地元で反対運動を始めた。
在阪の創価学会の会員内には、かつて「宗教の前に人の道がある」と公明を批判した橋下徹氏への不信感がくすぶり、そこに市解体への不安感も重なる。「支持者から『公明はどうすんねん』という声もあった」と先の関係者。
運動は「個人の判断」として府本部は黙認。いわば�猗鷂�認�瓩留親阿世韻法�党や創価学会の組織的支援は望めなかった。毎日、手作りのポスターやチラシのコピーを繰り返しては配り歩く、地道な活動になったという。
公明党は組織的な運動は控えたが、地道に反対運動を続けていた、と言うことです。
住民投票の結果は、賛成 694,844票 反対 705,585票（無効5,640票）。10,741票という僅差で「大阪都構想」は否決されました。（投票率66.83％）
この結果については、次の章で改めて述べたいと思いますが、ここでは、各党の運動の結果、各党の支持者の賛否がどうなったかを見たいと思います。
こちらは、5月11日付読売新聞に掲載された世論調査の結果に基づくグラフです。
数字が記入されていませんので、記事から引用します。
＜ 都構想の賛否を支持政党別にみると、推進派の橋下徹市長が最高顧問を務める維新の党支持層は約９割が賛成。府連が反対姿勢の自民支持層は反対が約５割、賛成が約４割と割れた。
支持母体の創価学会が自主投票方針を決めている公明党の支持層は、８割弱が反対。民主、共産両党の支持層は約８割が反対で、無党派層でも反対の約５割が賛成の約３割を上回った。＞
前章で述べたように、自民党は党としては中立だが官邸は大阪都構想支持、と態度が分かれていました。大阪自民党は反大阪都構想の中心的存在として激しい反対運動を展開したにもかかわらず、党の支持者の賛否は分かれました。
一方、公明党・創価学会も表向き中立。大阪公明党は中央に気兼ねしてか、派手な運動は控えていたとはいうものの、「非公認」の運動を展開。党の支持者の8割が反対。
他の政党と同じように自民党支持者の8割が反対に投票していたら、これほどの僅差の結果とはならなかったでしょう。そして、賛否の差がわずかであっただけに、公明党が「非公認」の運動をやらなければ大阪都構想は可決されていたでしょう。公明党が大阪都構想を葬った最大の功労者と言われるのは当然でしょう。
公明党地方議員が支持者を強固に把握していたのに対して、大阪自民党はそうではなかった、と言えるのでしょう。しかし、大阪自民党支持者をまとめきれなかったのは、官邸のたびたびの介入が影響ではないでしょうか。
とはいえ、公明党中央が大阪公明党に圧力をかけ、大阪府・市議会で住民投票に賛成させなければ、そもそも住民投票自体成立しなかったわけで、そういう意味では公明党の「罪」は重い。
大阪都構想住民投票の経緯では、自民党の「官邸」と大阪、公明党の「中央（創価学会？）」と大阪の間、すなわち中央と地方の間に「ねじれ」がありました。
自民党の「官邸」にせよ「公明党中央」にせよ、地方政治に介入したことは地方自治の原則に反します。大いに批判されるべきでしょう。
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